皆さんは、杞憂民という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
今回は杞憂民とはどんな人のことを言うのか、具体的にどんな言動をしたら杞憂民になるのか、なぜそのような言動に至るのかを解説していきます。
それを踏まえたうえで、今後私たちが杞憂民と呼ばれないために気を付けていきたい3つのポイントをご紹介していきます。
杞憂民の意味とは?にじさんじが由来?
杞憂民という言葉を聞きなれない人も多いと思います。
聞いたことはあるけどよくわかってなかった人も多いのではないでしょうか。
杞憂民とはどんな時に使う言葉なのか、どこで生まれた言葉なのかご紹介します。
杞憂民の意味とは
そもそも「杞憂民」とはどういった意味の言葉なのかご存知でしょうか?
「杞憂」とは、まだ起きていない事柄について、無用な心配をすることをいいます。
つまり杞憂民とは、「その発言は叩かれるのでは?」「そんなことしたら炎上するかも」など、ライバーの活動に対していちいち無用の心配をするリスナーのことをいいます。
杞憂民の由来は?
前述の通り、杞憂民の語源は杞憂=無用な心配をすることです。
推しているライバーが、アンチや他のリスナーから叩かれたり炎上するんじゃないかと過保護になるあまり、あれこれと心配を押し付けがちになり、結果として迷惑行為になってしまうのです。
杞憂民はVtuberの「にじさんじ」が発祥?
杞憂民という言葉は、Vtuber界隈から広まったと言われているネット用語で、その中でもANYCOLOR株式会社が運営するバーチャルライバーグループ、にじさんじが発祥と言われていますが、詳しい理由についてはわかっていません。
ただ、Vtuber界隈はネガティブなことに対して敏感に反応することが多く、純粋な疑問や質問も杞憂民と判断されてしまうケースも多いようです。
杞憂民構文の例
杞憂民構文とは、生放送やTwitterなどで杞憂民が多用するコメントや文章のことで、
配信コメントとTwitterやマシュマロの文章では少し変わってきます。
コメントでは、

それって言って大丈夫?許可とった?

そんなことしたら炎上するからやめよう
といった疑問や不安の声が多く見られます。
一方でTwitterでは、

普段はこんなこと言わないのですが、どうしても気になって…

私はそこまで気にしていないのですが、他のリスナーはそう思わないかもしれないから…
と、一見するとライバーの行動を批難しているように見えるものもあります。
杞憂民構文ネタ
嫌われることの多い杞憂民ですが、中にはネタとして昇華しているライバーもいます。
にじさんじ所属ライバーである黛灰(まゆずみ かい)さんは配信で全てに杞憂するマインクラフト配信を行いました。
タイトル通り全てに杞憂し、最終的に「俺マインクラフト配信して大丈夫かな?」と混乱して終了しています。
他にも、同グループ所属ライバーの長尾景(ながお けい)さんは、リスナーと考える杞憂構文長尾構文を作りライバー仲間に送る配信をしました。
Vtuberがブチギレ?杞憂民が嫌われる理由とは?
杞憂民の中には過激な発言や、攻撃的な言い方をする人が時々現れます。
ファンの域を逸脱した行為についてVtuberの方たちも不快感や怒りを口にする時もあります。
今回は2つ、ライバーも流石にこれは受け入れられないというエピソードをご紹介いたします。
Vtuberが杞憂民にブチギレ
杞憂民は生放送中のコメント欄や匿名メッセージサービスであるマシュマロなどに出現します。
多くのライバーは杞憂コメントを見つけてもネタにして笑いに変えたり反応せず流すなどで対応することが多い中、あまりにも度を越える杞憂コメントに怒りを露にするライバーもいます。
2021年3月に配信された個人勢Vtuber、輝海まりなさんの雑談配信では、輝海まりなさんの古参と名乗るリスナーから、

あなたは答えてはいけない質問に答えすぎている。あなたが現状を正しく理解するまで視聴は控えさせていただきます。
といった内容のメッセージが送られてきた来たことを公開。
この件について輝海まりなさん本人は配信内で「一生来なくていいです、こんな言い方する人とはわかりあえると思えないです。」と一刀両断。
また、同年5月に配信されたにじさんじ所属Vtuber、葛葉さんのゲーム配信では
「ポケスナってランキングとかあんの?どうやって(何を基準に)上手い下手決めるんだよ写真撮るだけなのに」
という発言に対し、

今の発言は、写真家として活動している人に対して失礼

全世界の写真家を見下した発言はやめたほうがいい
と、何故か現実のカメラマンに対しての話にまで飛躍していき、
「本気で言ってんの?飛躍させたらそういう意味にもとれるかもしれないけれど、ゲーム簡単でしょ。っていう話をしているだけだよね?流石に民度がやばすぎる、頼むぞマジで。」
と呆れたように注意を促すことも。
杞憂民が嫌われる理由は?
杞憂民は他のリスナーやライバー本人から嫌われたり、迷惑がられることが多いものです。
なぜ心配している言動が周囲から嫌われるのでしょうか。
ライバーの悪口を言うから
杞憂民の中には推しのライバーを心配するあまり、他のライバーに対して攻撃的になったり、中には理解を求めるあまり推しのライバーに対しても強い口調になってしまうのです。
こういった発言はアンチコメントと紙一重と言えるでしょう。
時にはライバー本人だけでなくそのファンにまで矛先が向くこともあるのが問題です。
本人は心配や愛ゆえのつもりでも、受け取り側が不快になる言動は嫌われてしまいます。
このケースは配慮したつもりが、周囲に否定的な目で見られることが多いため反転してアンチになる可能性もあります。
好きなライバーに命令しているように見えるから
応援しているライバーの問題を解決してあげたい気持ちから、結果として時には指示厨のように、時には親が子に言い聞かせるように、あーだこーだと口出ししてしまうのです。
ですが、周りから見ればライバーのゲームや雑談を目的に来ているのに、リスナーが進行していく状態では楽しめません。
度々長文リプやマシュマロを送り、高圧的で支配的な内容も見られるため、特に目立ちます。
配信の楽しい雰囲気が壊れるから
せっかくライバーやリスナーが盛り上がっている場で、流れや空気を壊す様なネガティブな発言が複数見られれば、微妙な雰囲気になってしまったり、コメントが荒れてしまう原因となります。
明らかに冗談だとわかるネタや、仲のいい配信者同士の煽りあいや掛け合いに対し

無理して笑ってるかもしれない

本当は傷ついているのに配信だから我慢しているのかも
と、冗談を冗談として受け取れない一面もあります。
杞憂民の心理とは?
杞憂民はなぜそんなに心配ばかり抱えるのでしょうか?
なぜそのような思考になるのか、言葉として伝える理由についていくつか挙げていきます。
杞憂したことでコメントを読んでもらえるから
配信というのは本来、配信者側が一方的に雑談したり、ゲームなどをしている様子を映したりするもので、リスナーが増えればそれだけコメントすべてに反応するのは難しくなります。
そんな中で、

最近のどの調子がよくないんだよね~

大丈夫?ゆっくり休んで!

大丈夫だよ、心配してくれてありがとう
と、反応があると「杞憂(心配)したらコメントを読んでもらえるんだ!」と勘違いしてしまうと、ライバーの目に留まりたい、コメントを読んで欲しい一心で杞憂コメントが止まらなくなります。
ここで問題なのが、それをみた他のリスナーも真似をして模倣的杞憂民が生まれることです。
配信者側も全てのコメントを指示厨や杞憂民だとは決めつけられないし、コメントを一切見ないというのも難しいので対処しづらいのでしょう。
良かれと思ってやっている
杞憂民はアンチや荒らしと違いライバーに対して好意的です。
推しの力になりたい、応援してあげたい、問題を解決してあげたいという正義感から善意の気持ちで杞憂する人もます。

もし自分がライバー側だったら助けて欲しいと思うかもしれない
しかし、結果として気持ちの押し付けになってしまい、彼ら自身が問題視されてしまっているのが現実です。
単純に推しのことが心配で仕方ない
それぞれ様々な好きの形があり応援の仕方も様々ですが、中には親のような、または兄姉のような気持ちで応援している人たちもいます。
ライバー自身を庇護対象として守ろうとするため過干渉になり、心配のあまり過保護になりがちです。失敗してほしくない、叩かれたりして傷ついてほしくないと、常にライバーを気遣っています。
その心配自体が杞憂だという自覚がなく、過干渉になりすぎてしまいます。
自分が迷惑な杞憂民にならない3つのポイント
空気感や雰囲気などで心配になったり、不安になってしまうのは仕方のないことです。
不安や心配というのは感じたくて感じるものではないので、コントロールが難しいもの。
杞憂したくてしているわけじゃないからやめられない、もしかしたら自分も無意識に杞憂民になってたかも?という人に杞憂民にならないために気を付けたい3つのポイントをご紹介します。
ライバーに干渉しすぎない
配信はライバーとリスナーがいて初めて成り立つものです。
応援している期間が長ければ長いほど思い入れが強くなります。
そんな相手であれば、何かあれば心配になってしまうのも仕方ありません。
ですが、それを表に出すときは注意が必要です。
ライバーが困っているときや助けを求めているときに教えるのは親切ですが、試行錯誤したり工程を楽しんでいるときに先走って教えるのは過干渉になってしまいます。
例え失敗しても、上手くいかなくてもその過程を一緒に楽しめるようにしていきたいですね。
1人のライバーに依存しない
特に応援しているライバー、いわゆる推しが出来るとそのライバーにずっと活動を続けて欲しい、引退なんて考えられないと、少しの変化や異変にも敏感になってしまいます。

体調不良で配信がなくなってしまったらどうしよう

炎上してそのまま引退してしまうかも
と、どんどん心配事が増えていきます。
ライバーの心配をしているようでその実、推しを失うことの自分の心配になっていることに気づかなくてはいけません。
応援したいと思えるライバーに出会えることはとても素敵なことです。
推しは1人でないといけないというルールはありません。
似たジャンルの配信を観てみたり、切り抜き動画などを活用して色々なライバーと出会い、興味を広げていくとより楽しめると思います。
ライバーを操ろうとしない
当たり前のことですがライバーも人間なのでそれぞれ得手不得手があり、考え方や価値観も人それぞれです。
時には自分とは違った考え方や行動をする時があって当たり前です。
それを否定したり、相手の行動を決定するような言い方は、ライバーでなくても相手に不快感を与えしまい失礼です。
その行動で満足するのは自分だけであり、相手の気持ちや考えを無視していることになります。
杞憂民とは?杞憂民の意味や由来、過剰に心配しまう心理も紹介!のまとめ
いかがだったでしょうか。杞憂民とは何か、なぜ杞憂してしまうのか、杞憂民にならないために気を付けたいことについてご紹介させていただきました。
もし自分にも当てはまる内容があれば、注意し今後気を付けていきたいですね。
最後に他人を心配する気持ちは決して悪いことではありません。
思い入れや愛着があるからこそ心配するのであり、それは自然な感情だと思います。
しかし、表現の仕方や伝え方を間違えると相手の負担になったり、行き過ぎた心配はライバー自身を1人の人間として認めないことになってしまいます。
自宅で過ごしたり、1人で過ごす時間が増えてきた今、あくまで娯楽の1つとしての楽しみ方を心掛けていきたいですね。