巨乳症は胸が大きくなってしまう病気です。
「胸が大きくなるであれば良いことなのでは?」と思ってしまう人もいるでしょうが、巨乳症は日常生活に影響を与えてしまう病気であり、その症状に悩んでいる人もいます。
巨乳症で悩む人のことを理解するためにも、その症状や治療法などについて知っておきましょう。
巨乳症のとはどのような病気?
‘At age 10, I noticed my bust was bigger than my peers’ Pauline Adhiambo’s story of struggling with gigantomastiahttps://t.co/6IrfN5GYs0 pic.twitter.com/hoMGG1H571
— Parents Magazine (@parentsafrica) April 15, 2021
巨乳症とは、胸が大きくなる病気のことです。
胸が大きいことを魅力と感じる人は多いため、「胸が大きくなるのであれば悪い病気ではない」と思ってしまう人もいるでしょう。
しかし、巨乳症は巨乳になって喜ぶことができるような病気ではありません。
実際に悩んでいる人もいるので、巨乳症とはどのような病気であるか知っておきましょう。
巨乳症の症状と原因
巨乳症の正式名称は乳腺肥大症です。
症状は胸が大きくなることですが、一般的に認識されている巨乳のレベルを超える大きさとなることがあります。
場合によっては、細身で小さな体の肥満体型でない人がおへそが隠れそうなくらい大きな胸になる場合もあるようです。
また、大きすぎる胸は垂れさがったり、左右で大きさが異なるなど、綺麗な形にならないこともあります。
Do you know what Gigantomastia is? pic.twitter.com/gjIsZK42v1
— Gigantomastia Foundation (@GigantomastiaF1) April 29, 2018
巨乳症はホルモンのバランスが崩れることや、遺伝や栄養などの要素、薬の副作用の影響などが原因と考えられています。
そのため、巨乳症は女性特有の病気ではなく、男性が発症することもある病気です。
巨乳症は自然治癒する?
思春期は男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが安定しにくく、一時的に女性ホルモンの割合が高くなることで、巨乳症になることがあると言われています。
しかし、数週間ほどして男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが安定すると自然治癒することが多いようです。
その際に、症状に気がつかない人もいて、実は思春期に巨乳症を経験していて、本人が気がつかないうちに自然治癒していることもよくあると言われています。
また、妊娠中に母親からもらっていた栄養の影響によって生後間もない赤ちゃんが巨乳症になることがあると言われています。
しかし、この場合も症状は一時期的なものであり、2歳半くらいまでに自然治癒することが多いようです。
巨乳症に悩む人は多い?
発症率が高くないこともあり、日本ではあまり聞き馴染みのない巨乳症ですが、海外ではニュースで取り上げられることもあります。
ボリビアの女性
2010年、南米のボリビアで暮らす当時21歳の女性が巨乳症によって片方の胸の重さが10キロほどまで肥大化し、日常生活に深刻な影響が出ていました。
女性には子供がいて、特に子育てが大変な状況だったようです。
また、当時は金銭的余裕がないことで治療を受けることができていないことも悩まれていました。
アメリカの女性
アメリカのテキサス州では30代後半で巨乳症を発症してPカップとなりました。
肥大化した胸の重みによって、胸の痛みや腰痛、精神的苦痛などを感じていたそうです。
この女性は手術によって約7kgの胸を除去して、Eカップまでサイズダウンすることに成功されています。
中国の少女
中国では16歳の少女が両胸で8キロの重さになり、体重の20%が胸の重さで占めるほど胸が大きくなったそうです。
また、胸がそれだけ大きくなるまでにかかった期間はたった1年です。
大きくなりすぎた胸によって少女は仰向けで寝ることすらできなくなってしまいました。
巨乳症の種類
巨乳症には自然治癒するものもあり、心配しなくても良いケースもあります。
しかし、巨乳症にもいくつか種類があり、中には自然治癒しないもの、なかなか自然治癒しないものもあります。
そのため、注意が必要な巨乳症にはどのような種類のものがあるのか知っておきましょう。
早熟性乳腺肥大
早熟性乳腺肥大は7歳6カ月未満の小児が起こす巨乳症で、胸が年齢に合わない大きさに肥大化します。
また、胸に肥大化と合わせて、陰毛が生えたり、性器が発達したり、女子は月経が始まったりなど、身体が早く発達してしまいます。
早熟性乳腺肥大の原因は卵巣や副腎の腫瘍、第三脳室の病気などが原因と言われているので、治療は巨乳症ではなく、これらの病気を優先して行うことになるでしょう。
真性びまん性乳腺肥大症
真性びまん性乳腺肥大症は中学生や高校生の時期、妊婦などが起こすことのある巨乳症です。
一般的に巨乳症と言えば、この真性びまん性乳腺肥大症のことを指すことが多いでしょう。
原因は乳腺がホルモンに過剰反応することと考えられていますが、明確な理由はわかっていません。
女性化乳房症
思春期はホルモンバランスの影響によって巨乳症になることがありますが、自然治癒することが多いです。
しかし、その思春期の巨乳症が自然治癒しないままとなることを女性化乳房症と呼びます。
巨乳症は男性が発症することもあり、女性化乳房症によって女性と変わらないバストにまで肥大化することもあります。
偽性女性化乳房
偽性女性化乳房は肥満が原因で胸に脂肪がついて、男性が女性のようなバストとなることです。
そのため、他の巨乳症の種類とは異なります。
巨乳症が日常生活に与える影響
巨乳症になると、胸の重さが10キロにもなってしまうことがあります。
それだけ胸が大きくなると、日常生活にいろいろな影響が出てきます。
体への負担
胸が重くなると、その胸を支えている皮膚が引っ張られることになり、痛みを感じるようになります。
歩いたり、走ったりなどの衝撃が加わると、さらにその痛みは増すことになるでしょう。
また、胸の重みによって猫背になり、肩や腰などのいろいろな部分に負荷がかかってしまいます。
そのため、体を動かすだけで大きな負担となり、日常生活に支障が出てしまうこともあります。
皮膚への影響
肥大化した胸は重み耐えられず、垂れ下がって胸やお腹の皮膚と密着します。
そのため、胸と密着している部分の皮膚は蒸れやすく、かぶれや湿疹などを起こしやすいです。
また、体を動かした際に胸が揺れることで胸と密着している皮膚が摩擦して炎症を起こすこともあります。
コンプレックスになる
大きくなった胸は隠すことが難しく、どうしても目立ってしまうので、周囲の注目を集めてしまいます。
そのため、周囲からの視線によって大きな胸にコンプレックスを感じてしまうようになる人は多いでしょう。
特に、男性の場合は大きくなった胸にコンプレックスを感じてしまうやすいので注意が必要です。
巨乳症の治療方法は?
巨乳症は日常生活に影響を出すこともある病気の1つなので、必要に応じて治療をする必要があります。
その巨乳症の治療はどのような方法で行われるのでしょうか?
手術での切除
Women suffering from Gigantomastia /Macromastia (Excess or large breasts that affect health) are constantly denied breast reduction surgeries by medical aid schemes because they catogorize it as cosmetic surgery but cover gold tooth @BRSupportSA https://t.co/b62eMuAMaZ pic.twitter.com/wmY3fPDc2a
— Tefelo (@EagleTiffy) July 1, 2019
巨乳症は自然治癒することもあり、治療を必要としない場合もあります。
また、薬の副作用や別の病気の影響などで巨乳症となった場合は、その根本を改善することになるでしょう。
しかし、自然治癒しない、巨乳症となった原因を特定できないなどの場合には、手術が必要になります。
手術では肥大化した胸を脂肪吸引して小さくし、乳腺を切除します。
術後は?
状態にもよりますが、入院の必要なく手術当日に帰宅することも可能です。
ただし、しばらくは通院の必要があります。
抜糸は1週間ほどで、そのくらいの時期からシャワーも浴びれるようになるでしょう。
胸が大きくて悩んでいる人もいる
巨乳症は病気の1つであり、胸に悩みを抱えている人もいます。
そのため、胸が大きくて悩んでいる人に対して無神経な言葉をかけてしまわないように、巨乳症の知識を持っておくようにしましょう。
また、胸の悩みは他人に相談しにくいこともありますが、巨乳症は病気でもあるので、悩んている場合は病院に相談するようにしましょう。