【疑問】真言って何?「唱えてはいけない」と言われる理由とは?

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真言はいろいろなご利益が得られると言われていて、毎日唱えている人もいます。

しかし、その真言は「意味を理解せずに唱えてはいけない」とも言われることがあります。

また、場合によっては「危険」と言われることもあるようです。

では、なぜご利益が得られるはずの真言が危険と言われるのでしょうか?

そもそも真言とはどのようなものなのでしょう?

真言って何?

真言は日常的に触れている人もいます。

しかし、聞いたこともないという人も多くいるでしょう。

そのため、まずは真言がどのようなものであるかおおよその内容を知っておきましょう。

真言とは?

真言とは仏の言葉を音写したものと言われ、マントラとも呼ばれます。

マントラはインドの古代語であるサンスクリット語であり、そのマントラの日本語訳が真言です。

主な内容は仏や仏の次の位である菩提の誓いや教えで、その言葉にはいろいろな力が秘められていると言われています。

浄土真宗以外の仏教宗派で唱えられており、日本でも真言宗や天台宗などの宗派で唱えられています。

お経とは違う?

真言は仏や菩提の誓いや教えであることに対して、お経は仏教思想を倫理観などを例え話などを文章化したものです。

また、発する言語そのものにも違いがあり、お経はそれぞれの国の言語で唱えられますが、真言はサンスクリット語で唱えられることが多いです。

ただし、宗派によってはお経に真言が含まれていることもあり、明確な違いがわかりにくいものとなっています。

呪文とは違う?

呪文も真言のように唱えることでその効果が発揮されるものがあるので、類似する部分はあるでしょう。

ただし、呪文には他人に不幸を与える呪術もあります。

そのため、狭義であれば真言と呪文は似ていますが、広義になると別のものと捉えることができます。

いろいろな種類がある?

真言は仏や菩提の誓いや教えです。

仏教にはいろいろな仏がいるので、それだけ真言の種類があるということです。

有名なものでは光明真言十三仏真言があります。

また、十三仏真言は如来・菩薩・明王ごとの13種があり、不動明王・釈迦如来・地蔵菩薩などがあります。

他には七観音・七福神なども有名どころでしょう。

強力な加護が得られる不動明王の真言

真言にはいろいろな種類があり、種類ごとに効果や唱え方などが変わってきます。

まずはそれらの種類の中でも強力な効果が得られると言われている十三仏真言の不動明王の真言について確認してみましょう。

不動明王とは?

不動明王は鬼のような見た目をしていることから怖い仏と思っている人もいるようです。

しかし、不動明王は密教の本尊である大日如来の別の姿とされていて、五大明王の中心的存在でもあります。

そのため、見た目は怖いですが、決して恐ろしい仏ではないので安心しましょう。

不動明王の真言によるご利益

不動明王は災難や魔を払い、迷いを断ち切って苦難に立ち向かっていく勇気をくれる仏です。

そのため、不動明王の真言には悪霊退散や戦勝商売繁盛などの効果があると言われています。

鎌倉時代の元寇時には五大明王を祀る鎌倉の明王院で戦勝祈願されたことが記録として残っています。

その願いが届いたのか、元軍は嵐の影響によって日本侵略を断念することになりました。

不動明王の真言の唱え方

不動明王の真言に限らず、真言を唱える際には身密・口密・意密の三密を守る必要があります。

身密手で印契約を結ぶこと
口密声に出して唱えること
意密仏の姿を思い浮かべること

不動明王の真言を唱える際の三密は以下の通りです。

  • 身密:不動根本印

  • 唱え方:のうまく さんまんだ ばざら だん せんだ まかろしゃだ そわたや うんたらたかんまん
  • 意密:目を閉じて不動明王の姿を思い浮かべる

最強と呼ばれる光明真言

光明真言はいくつもある真言の中でも最強と言われています。

では、その光明真言とはどのようなものなのでしょうか?

光明真言とは?

光明真言はすべての仏の最高位とされている大日如来の真言です。

密教における大日如来の存在は宇宙そのものとされていて、大日には偉大な太陽という意味があります。

大日如来の放つ光は知恵の光であり、常にこの世のすべてを照らしています。

その偉大な大日如来の真言ということもあり、その効果はすべての災いと取り除く最強の真言と言われています。

光明真言によるご利益

光明真言はすべての災いを取り除いてくれる最強を持つ真言で、過去の罪からの解放や除霊開運などの幅広い効果があると言われています。

また、先祖供養にも大きな効果があるとされています。

密教で重要な仏の呪力を願う儀式である加持祈祷で僧が唱えることでも有名です。

光明真言の唱え方

光明真言でも身密・口密・意密の三密を守る必要があります。

  • 身密:智拳印

  • 唱え方:おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まに はんどま じんばら はらばりたや うん
  • 意密:目を閉じて大日如来の姿を思い浮かべる

なぜ「真言は唱えてはいけない」と言われる?

いろいろな効果が得られる真言ですが、「唱えてはいけない」と言われることもあります。

場合によっては「危険」とまで言われることもあるようです。

なぜ、仏の教えである真言が危険とまで言われることがあるのでしょうか?

魔が差す

真言は仏や菩提の言葉を音写したものですが、中には天部のものもあります。

天部は仏教世界の天上界に住んでいる仏を守る守護神ですが、現世利益の性格を含んでいるので人間と同じように欲が存在しています。

そのため、天部の真言は唱えてしまうと魔が差すと言われることがあるようです。

ただし、唱えれば必ず魔が差すというわけではなく、呪われるというものでもありません。

魔が差すのは自分だけ利益を得ようとした結果であり、自ら身を滅ぼすことに繋がってしまうこともあります。

何事も問題は自分の中にあるということでしょう。

罰が当たる

光明真言はあらゆる災いを取り除いてくれる最強効果の真言です。

しかし、嫌なことがあったり、大きな挑戦をするときなどに、思い出したかのように唱えても効果は期待できないでしょう。

そのような都合の良いお願いばかりすることは仏に対して失礼な行為なので、罰が当たってもおかしくはないでしょう。

真言はネットなどで見かける恋愛のおまじないの呪文のようなものではないことを理解しておきましょう。

知識不足で唱えてはいけない

真言にはいろいろな種類があり、唱え方もそれぞれです。

もし、知識不足で身密や口密などを間違ってしまうと、仏に対して非常に失礼となってしまいます。

また、宗派ごとの作法や所作などには複雑な意味が込められているため、浅はかな知識で実行するのは危険でしょう。

真言を唱えるのであれば、修行を積んでから行うことが望ましいです。

真言は軽い気持ちで唱えてはいけない

真言を唱えるとご利益を得ることができると言われています。

ただし、ご利益を得るにはしっかりと修行を積む必要があり、唱え方を真似するだけではその効果は得られないでしょう。

また、真言には複雑な意味が込められいることもあり、おまじないの呪文のように軽い気持ちで唱えるべきものでもありません。

しかし、真面目に学ぶ姿勢があれば、真言を唱えたことで仏が罰を与えることはないでしょう。

そのため、まずは仏教の学びから始め、知識を持つことから始めてみても良いでしょう。