【画像あり】せむし男ってなに?差別用語とされている理由とは

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せむし男と聞いて、わからない方もいるかもしれません。

実は、あの有名なディズニーアニメーション映画のひとつである「ノートルダムの鐘」の主人公カジモドはせむし男なのです!

では、なぜ「せむし男」という言葉を聞かないのでしょうか?

せむし男の概要と差別用語として扱われている理由など徹底解説していきます

せむし男とは?特徴と病気について【写真あり】

せむし男とは、どのような意味や特徴を持つのでしょうか?

その外見的な特徴と病気の概要を写真も含めて、ご紹介します。

せむし男の名前の由来

そもそも「せむし」とは、病気に起因した骨格の変形と皮膚の形成不全によって、背中が後方に大きく曲がって円形に突出した状態のことです。

その姿を背中に虫がいるようだと思われたことや、気味悪がられ忌み嫌われた「虫」になぞらえて、せむしと呼ばれるようになったとも言われています。

また、その特徴を持つ青年を題材にした映画「ノートルダムのせむし男」のタイトルから、同じような容姿を持つ人を蔑む意味合いで、せむし男と呼んでいたようです。

人間は理解できないものを怖がる傾向がありますが、あまりにひどい言葉ですね。

せむし男の特徴

せむし男の特徴としては、背骨が後方に曲がっていて、盛り上がっているように見えます。

またせむしと言っても、この写真のように後方だけでなく横方向に弯曲することもあります。

この骨格不全は背骨だけでなく、四肢などの他の骨格にも異常をきたしていることがあるため、低身長や成長障害、手足の骨の彎曲、O脚、X脚、歩行障害などの症状があるそうです。

そのため、体を動かしづらかったり、骨に負担がかかり痛みが生じることもあります。

このように背骨や手足のみならず、頭蓋骨にも症状はあらわれることもあるそうです。

せむし男の正式な病名

せむし男の正式な病名はくる病で、漢字では佝僂病と書きます。
(佝も、僂も、漢字ひとつで「背中が曲がっている人」という意味)

くる病は主に4つの原因により、骨の石灰化障害をきたすことです。

・ビタミンDの欠乏
・カルシウム不足
・日射量不足
・代謝異常

遺伝性、後天性や薬剤性による分類もあるほか、小児などの骨の成長前に発症した場合はくる病、成長後なら骨軟化症と医学的に分類されています。

また日本における「くる病」は、平成27年1月から施行された難病法(難病の患者に対する医療等に関する法律)のなかの「指定難病」に該当するほど、普段の生活に影響がでてしまう病気です。

さらに歴史的に見ると、この症状が病気であると発表されたのは17世紀ごろと遅かったため、これ以前の発症者はかなりひどい差別を受けていたことは想像にたやすいですね。

せむし男は実在する?

せむし男と呼ばれる骨格不全や背中が曲がってしまったり、盛り上がっている「くる病」の方は実在します

医療が進歩したとはいえ、原因となる環境下で過ごしたり、遺伝性や薬剤性から発症するケースもあるため、根絶されていないどころか小児のくる病は増加傾向のようです。

治療法としては服薬、骨の変形が起こりにくくする器具などを装着したり、手術により症状を和らげることができるそうです。

差別用語として放送禁止ワードになっている

せむし男の「背中に虫がいるような姿」という容姿を蔑んだ表現することは差別に値するとされました。

差別用語は一般のメディアでは放送できない、いわゆる放送禁止ワードなので、現在では目にする機会は少なくなりました。

ノートルダムの鐘の主人公がモデル

観たことがある方もいると思いますが、ディズニー映画「ノートルダムの鐘」の主人公カジモドはせむし男であり、くる病を発症していました。

カジモドは、背中は後方に盛り上がり、顔は左右非対称、大きな鼻をもった、心優しい青年として登場します。

彼は赤ん坊のころに、養父となるフロローに拾われましたが、その外見から、不完全という意味の「カジモド」と名付けられています。

差別主義者であるフロローはカジモドを人目につかせないように、ノートルダム大聖堂の鐘楼で隠して育て、鐘つきという仕事をさせていました。

このことから、カジモドの容姿は先天的な要因があったと予想できますが、日の当たりづらい環境下で育ったことなども関連があるのかもしれませんね。

「ノートルダムの鐘」は「ノートルダムの背むし男」

「ノートルダムの鐘(The bells of Notre Dame)」というタイトルは、実は邦題のみ、日本だけなのです。

英語版では「ノートルダムのせむし男(The Hunchback of Notre Dame)」というタイトルで放映されました。

Hunchbackは「背中の曲がった人」という意味です。

日本では「せむし男」が差別用語にあたるため、タイトルを変更しています。

日本語版のタイトルとはかなり印象が変わってしまいますよね?

原作は『ノートルダム・ド・パリ』という小説

この「ノートルダムの鐘」の原作は、フランスの作家、ヴィクトル・ユーゴーの「ノートルダム・ド・パリ」という小説です。

ヴィクトル・ユーゴーの他の作品で有名なものとして、「レ・ミゼラブル」があります。

「ノートルダム・ド・パリ」のなかで、主人公カジモドの外見を言葉にはあらわせない醜さとして書かれているのです。

”みなさんにこの顔の印象をお伝えしようとしても、
しょせん私の力では及ばないだろう。想像できる方は、やってみていただきたい。”

引用-「ノートルダム・ド・パリ(上)」ヴィクトル・ユーゴー作 辻昶・松下和則訳、岩波文庫

作中では、くる病の特徴である「X脚」のカジモドという表現も何度か登場しています。

この物語を語る上で、もうひとつの「差別」がテーマとなっています。

カジモドが一目ぼれするエスメラルダという女性は、移動型民族のジプシー。

ジプシーもまた、いわれなき憎悪の対象として、差別を受けてきた歴史を持ちます。

くる病のカジモド、ジプシーのエスメラルダ、それぞれの差別に対する葛藤や奮闘が描かれているのが象徴的であると言えます。

差別や偏見をなくしたいというヴィクトル・ユーゴーの思いが込められているのかもしれません。

実は「せむし(男)」だけでなく、「ジプシー」という言葉も、現在の日本では差別用語として放送禁止ワードとなっており、ロマと表現されているようです。

せむし男とは?差別用語とされている理由のまとめ

せむし男とはくる病という病気を発症している人のことで、差別用語であることから、現在日本では使用されていません

また「くる病」は、骨の形成不全等により、背中や手足の骨が曲がり、成長障害、歩行障害などを引き起こします。

有名なディズニーアニメ「ノートルダムの鐘」の主人公はせむし男として描かれており、日本以外では「ノートルダムのせむし男」として知れ渡っています。

いかがでしたでしょうか?

現在もさまざまな差別があり、苦しんでいる人は数え切れません。

価値観もさまざまですから、理解ができない人がいるのも仕方がないことです。

ですが、理解できなくてもまずは知ること、人を傷つけないこと。

そんな当たり前のことを大事にしていきたいですね。