2000年代初頭、報道で大きく取り上げられた白装束集団「パナウェーブ研究所」をご存じでしょうか。
パナウェーブ研究所は名称や姿を変えながら活動を続けていたようですが、現在はどのような状況なのでしょう。
かつて世間を騒がせた騒動や教祖とされた千乃裕子の死亡とともに、徹底解説していきます。
闇を暴く!パナウェーブ研究所の衝撃の正体とは?
そもそも、パナウェーブ研究所はどのような組織だったのでしょうか。
信者らが着用していた白装束や渦巻き模様の付いた車両に見覚えがある方は多いかもしれませんね。
全身白い防護服の男。彼らは一体何者なのか? って言葉でパナウェーブ研究所の全身白ずくめの集団を思い出した。 #tvasahi
— eroken (@eroken) December 28, 2011
奇妙な行動や発言が多かったために、数多くのメディアにも取り上げられたパナウェーブ研究所の正体を解明していきます。
パナウェーブ研究所とは?
パナウェーブ研究所は、新宗教団体の千乃正法会という宗教組織の一部門で、福井県に本部がある団体です。
2003年当時は1000人以上もの信者がいたようで、新興宗教の中でも勢力を拡大していたと言えるでしょう。
「千乃裕子」を教祖および代表とし、「スカラー電磁波は人体にとって有害である」と主張していました。
「スカラー」は、物質の大きさを示す言葉で、物理学で使用されます。
これは、物体が動いているが、どのくらいのスピードであるか、どこに向かっているかを計測できない物質に対しての大きさを示す言葉です。
・『スカラー波』
この言葉は一時期話題になった言葉で、電磁波の一種で、どこに向けられたのか分からない、広がるタイプの電磁波です。引用元:意味解説時典
なお、パナウェーブ研究所の上位組織とされる千乃正法会は、東京都渋谷区に本部を置いています。
パナウェーブ研究所がしていた衝撃のこととは?
パナウェーブ研究所が世間で有名となったのが、2003年に「惑星ニビル星が地球に落下してくる天変地異」を予言し危険を訴え、福井県に向けて大移動を行った騒動でしょう。
当時、本部がある福井県までの国道や林道を占拠し、メディアや警察に抗議する姿もニュースで取り上げられました。
もちろんそのような惑星が落下することは無く、パナウェーブ研究所が主張した天変地異や人類滅亡は起こりませんでした。
パナウェーブ研究所は白装束を身にまとっている?!
信者らは「スカラー電磁波から身を守る」ための白装束とされる、全身を覆う白衣、白いマスク、白頭巾に白長靴といういでたちでした。
また、団体の乗用車も同様に「スカラー電磁波を防ぐ効果がある」という渦巻き模様の図柄を張り付けたり、全て白布で覆ったりしていたことから「白装束騒動」とも呼ばれました。
それらの様子が「初期のオウム真理教を思い起こさせる」と取り上げられることもあり、時代背景もあって報道が過熱したのでしょう。
しかしながら、スカラー電磁波から身を守っていたはずの信者が、普通に携帯電話を使用していたという話もあります。
私が追いかけていた2003年5月の10日間、コンビニ等でパナウェーブ研究所の人たちとバッタリ鉢合わせることも何度かあった。
やはり電磁波を気にしているのかと思いきや、彼らは普通に携帯電話で通話したりしていた。引用元:文春オンライン
パナウェーブのヤバいエピソードが衝撃すぎる?!
パナウェーブ研究所には数々の衝撃的なエピソードがあり、その度に「ヤバい」というイメージが付いて回ります。
地域住民とのトラブルのほか、メンバーが逮捕される事件にまで発展したケースもありますが、どのような背景があったのでしょうか。
芸人の江頭2:50が潜入したというエピソードとともに紹介します。
パナウェーブ研究所で傷害事件?!事件のワケとは?
ニビル星落下の予言が外れた2003年の夏、パナウェーブ研究所のメンバーである大学助教授が施設内で変死したのが発見されます。
司法解剖の結果、熱中症と外傷性ショックの複合的要因が死因とされ、研究所のメンバー5人が暴行の容疑で逮捕されました。
研究所は「アースチェック」として車両に滞留している電磁波を地面に流し除去する行為を行っており、助教授は教祖である千乃裕子が乗る車のアースチェックに失敗したというのです。
メンバーから棒や竹刀で背中を殴打される暴行を受けたこと、白装束に身を包み熱中症に至ったことで死亡したと見られ、捕まった5人はのちに罰金20万円の略式命令を受けています。
パナウェーブ研究所に接近して殺されかけた?!
2004年、パナウェーブ研究所の調査と取材をしていたフリーライター鹿取茂雄が、命の危険を感じるような騒動に巻き込まれます。
本部付近に車を停車していたところサーチライトを照射され、懐中電灯を持った人々と、「ストーカー車追跡中」と書かれた白い四輪駆動車に猛スピードで数km追いかけられたというのです。
実際には被害が無かったようですが、安易に近づくのは危険だったのかもしれませんね。
パナウェーブ研究所に江頭2:50が潜入?!
パナウェーブ研究所に接近した人物の一人に芸人の江頭2:50が挙げられます。
YouTubeの公式チャンネルで「時効だから話せる話」として取り上げており、「千乃に会いたい」と公安や警察の目をごまかすために白い服を着て潜入したようです。
しかしながら、研究所側と警察の両方に変装がバレてしまい、潜入は不発に終わってしまったようです。
千乃裕子の死後研究所に変化が?!死因は電磁波?
2006年、代表である千乃裕子が死亡しました。
電磁波攻撃を受けたことによる末期がん患者であると主張していましたが、どうやら本当の死因は脳梗塞か心筋梗塞のようだと言われています。
晩年は、白装束軍団とともに、渦巻き模様と白い布で覆ったワゴン車の中でずっと暮らしていたそうですが、生活環境が実際の死因に結び付いた可能性もゼロではないでしょう。
千乃裕子の死後、団体の活動も小康状態となり自然消滅していったと言われています。
【現在】パナウェーブ研究所は解散?現在の活動内容とは?
では、パナウェーブ研究所の現在はどうなっているのでしょう。
団体が信じていた、電磁波から身を守るための白い布や渦巻き模様は復活していないのでしょうか。
本拠跡地が今は出版社に変わっていること、パナウェーブ研究所にかかわっていたとされる三浦春馬さんの噂についても紹介します。
パナウェーブ研究所の跡地は白い布がない?!
千乃裕子の死亡後は、本拠地を覆う白い布や渦巻き模様が少しずつ取り払われていき、2009年には全て撤去され、ついにはパナウェーブ研究所の看板も外されました。
令和の時代の現在も、本拠地を覆っていた白い布は一切ありません。
福井県の本拠跡地には廃屋も目立ち、普通の民家のような建物に「千乃正法会」と書かれたポストが残るのみです。
パナウェーブ研究所の人は良い人?!
報道当時、パナウェーブ研究所の人間はまるでカルト集団、危険だというイメージが先行していた方が多いのではないでしょうか。
道の占拠や車のフロントガラスに渦巻き模様を貼り付けるという行為は法律的に問題があったものの、一方で、信者全体に対し誤解を招く報道が多かったのではという見方もあります。
動物を大事にしていたようで、近所の住民からは友好的な声も上がっていたようです。
結局普通のいい人たちだったんだろうな。:「動物が好きらしく、川に落ちたイノシシを助けたり、カラスの餌付けをしていた。苦情を申し入れると改善される」/白装束団体パナウェーブ自然消滅か 千乃会長の死から5年 社会 福井のニュース :福井新聞 http://t.co/OJi5R2HU
— むしたこ (@mushitako) October 26, 2011
なお、現在は白装束は着用しておらず、一般人と変わらない普通の格好をしているようです。
現在は株式会社エルノール出版?
現在、本部跡地である福井県の「千乃正法会」の郵便受けがある建物は、千乃裕子の書籍販売を主に行っている出版社「エルノール出版」となっています。
かつて研究所の人間に追いかけられた経験を持つ鹿取茂雄がエルノール出版に取材に行っていますが、「うちは一切関係ありませんので」と告げられています。
「うちは一切関係ありませんので」
にこやかな表情でそう言い放つと、「わざわざお疲れ様でした」と付け足した。「過去のことを言ってもしょうがないので。今はみんな通(かよ)ってきています。ここで平穏に過ごしたいだけなんです」
その言葉から、現在も粛々と宗教活動は続いているが、集落の人たちとはトラブルもなく平和に過ごしていることがうかがえた。引用元:文春オンライン
現在の信者数はかなり少ないとされており、波風が立たないよう細々と活動を続けているというのが事実と言えるでしょう。
三浦春馬の不審死にパナウェーブが関与している?!
2020年7月に亡くなった、俳優の三浦春馬さんがパナウェーブ研究所との繋がりがあったのではないかという説があります。
三浦春馬さんの母親が関係しているようで、母親が「直傳靈気(じきでんれいき)」という団体のセミナーに積極参加していたという噂が背景にあるようです。
しかしながら、パナウェーブ研究所と直傳靈気は全く別の団体であり、直傳靈気は「新興宗教ではない」と公式ホームページでコメントも発表しています。
よって、パナウェーブ研究所に三浦春馬さんが入信していたという事実は無く、情報の真偽は限りなくデマに近いと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
2003年に白装束集団として世間を騒がせたパナウェーブ研究所は、教祖である千乃裕子の死亡とともに活動が縮小され、ほぼ自然消滅状態のようです。
他のカルト宗教や新興宗教による騒動は現在も起きていますので、今後も動向に注目していきましょう。