アメリカのタイム誌が「世界最悪の麻薬」と称した「クロコダイル薬物」をご存じでしょうか?
麻薬自体が恐ろしい薬物ですが、「世界最悪」とまで呼ばれるクロコダイルとはどのような薬物なのでしょうか?
今回は「クロコダイル薬物」の作り方や、日本には流通しているのかなど、その危険性について検証していきます。
【閲覧注意】クロコダイル薬物は体が腐る?副作用が恐ろしい!
クロコダイル薬物は「デソモルヒネ」という鎮痛剤なのですが、なぜ世界中で恐れられているのでしょうか?
その最大の要因は副作用にあると言われており、常用者は皮膚や肉が腐るとも言われています。
ここからは、クロコダイル薬物の副作用や依存性などについても見て行きましょう。
クロコダイル薬物・デソモルヒネとは?
デソモルヒネとは、1932年にスイスの世界的製薬会社「ロシュ社」が開発した合成麻薬で鎮痛剤の一種です。
即効性があり、吐き気を催す事も多く、非常に強力な鎮静作用を持つ薬物でモルヒネの8倍から10倍とされています。
入手が容易な鎮痛剤の「コデイン」を材料にした粗悪な合成デソモルヒネは通称「クロコダイル」と呼ばれ、ロシアや北中米の貧困層に広く出回っているようです。
強力な依存性と副作用がありながらも、中毒者が年々増加しており深刻な社会問題となっています。
クロコダイル薬物の副作用が恐ろしい!皮膚や肉が腐る?
デソモルヒネが別名「クロコダイル薬物」と呼ばれる理由は、乱用する事で皮膚が黒や緑に変色し、ワニの皮の様に見える事からきています。
しかし世界で流通している全てのデソモルヒネがそういった症状を引き起こすわけではないようです。
ロシアで生産されているデソモルヒネは劣悪な環境で製造されており、製造過程で不純物が混入しそれを静動脈内に注入する事で副作用が起こります。
その恐ろしい副作用は皮膚や肉が腐るなど以外にも以下のような症状があります。
- 肺炎
- 髄膜炎
- 歯茎が腐り喪失する
- 血液由来のウイルス感染(針の共有からHIVやHCVなど)
- 骨髄円および骨壊死
- 言語や運動能力の障害
- 記憶喪失と集中力の低下
- 肝臓と腎臓の損傷
- 強力な呼吸抑制作用
ここまで深刻な症状を抱えてしまう麻薬にも関わらず、世界的な問題になるほどの人気を誇ってしまうクロコダイル薬物。
その理由や依存性、さらに常用した方がどうなっていってしまうのかにもついても掘り下げていきます。
クロコダイル薬物で死亡した人も
恐ろしい副作用で深刻な症状が出るクロコダイル薬物ですが、手足を切断しなければならなくなったり、死のリスクもあるようです。
感染症のリスクも非常に高く精神的にも荒廃し、肝不全や腎不全などを併発するなど、常習者の余命は1~2年とも言われています。
診察した医師は「手遅れで死を待つのみ」と宣告せざるを得なくなる状況になってしまうという情報もありました。
クロコダイル薬物が人気の理由は?依存性が高い?
死に至る恐ろしい副作用があるにも関わらず、クロコダイル薬物はなぜ人気なのでしょうか?
理由として挙げられるのは、現地では数百円とモルヒネより安価で購入でき「コデインとガソリン」を混ぜるだけで自宅でも簡単に作れてしまう事にあります。
またモルヒネの10~15倍近くの効果があり、数分で効果が出る割には持続時間が約2時間程で禁断症状を抑えるために再度使用するという悪循環。
さらに元々鎮痛作用があるため、身体に影響が出ても痛みに気づきにくいという最悪の循環になってしまっています。
モルヒネの10倍以上の効果からくる強力な依存性に加え、安価で入手しやすいお手軽さが人気になってしまっているようですね。
海外ではクロコダイル薬物と知らずに使う人も
海外ではクロコダイル薬物とは知らずに使用してしまう人もいるという悲しい情報もありました。
アメリカのイリノイ州では「ヘロイン」として購入したつもりなのに、実はそれが「クロコダイル薬物だった」というケースが紹介されていました。
クロコダイル薬物は簡単に安価で作れてしまうため、海外では利益を上げるために「ヘロイン」と偽って売られている可能性があります。
薬物専門家はこれについて「氷山の一角にすぎない。今後状況はさらに悪化していくだろう」と見解を示されていました。
クロコダイル薬物は簡単に作れる!?日本でも流通してる?
クロコダイル薬物は死に至る恐ろしい麻薬であり、それは今も世界中で広く出回っています。
症状からは想像もできない程安価で、手軽に作れてしまうその製造方法はどのようなものなのでしょうか?
また日本にも流通しているのか?ここからはその作り方や使用人数についても触れて行きます。
クロコダイル薬物は素人でも作れる?作り方は?
世界最悪の麻薬と言われるクロコダイル薬ですが、どうやら作り方が簡単で素人でも製造可能という情報があります。
どのような作り方なのか製法が気になるところですよね。
まずは市販で買える「コデイン」という鎮痛、鎮咳などの効果がある薬に溶剤を混ぜる事で製造が可能だと言われています。
医者の処方箋なしに購入できる咳止め薬を主原料として、シンナーやガソリン、洗剤を混ぜ合わせるようですが、詳しい作り方は不明です。
しかしこういった情報が簡単にSNSで手に入ってしまい、自宅で製造できてしまう可能性があるというのもとても恐ろしい事ですよね。
クロコダイル薬物は日本で流通してる?
大麻の事件は年々日本の若年層で増加傾向にあり、深刻な社会問題になっています。
2016年での情報では、日本で「クロコダイル薬物」の流通は確認されていないようです。
しかし若年層の者たちが覚醒剤の事を「エス・スピード」などと呼びファッション感覚で使用したり危険性の低下から危険ドラッグに手を出しています。
インターネットや携帯電話の普及、宅配便の利用など、その手口はさらに潜在化しているのも現実です。
このような状況が進んでいけば、いずれクロコダイル薬物のような危険薬物が日本に流通する可能性は否定できないのではないでしょうか。
クロコダイル薬物の使用者は数百万人!?
世界的な社会問題となっているクロコダイル薬物の流通ですが、使用者はどのくらいの規模なのでしょうか?
まず2012年の時点でロシア国内だけでも100万人以上いるそうです。
さらには北中欧の貧困層や、メキシコ、数年前からはアメリカでも流通されていると言われています。
この状況から、恐らく現在の使用者は数百万人にのぼるのではないか?と言われますが、定かではありません。
クロコダイル薬物以外にも?危険な薬物3選!
これまではクロコダイル薬物の危険性について触れてきましたが、ドラッグには他にも危険性や依存性が高いものが多数。
特に「ヘロイン」「覚醒剤」「コカイン」なども強力な依存性で危険な薬物だとみられます。
ここからは、危険な薬物3選を紹介していきます。
危険な薬物①ヘロイン
ドイツの製薬会社「バイエル社」から販売されていた鎮痛剤の一種で、強オピオイドに該当します。
副作用があるために現在では医療用に利用される事は稀ですが、いくつかの国で出産時や心臓発作などの鎮痛やオピオイド置換治療に用いられていました。
日本では「麻薬及び向精神薬取締法」によって、製造、所持、使用は制限されています。
効果は多幸感、精神依存、身体依存がどれも最高値の3点となっている唯一の薬物でもありますね。
接種方法は注射器を使用する他に、炙りによる煙の吸食、鼻で吸引するなどが一般的なようです。
危険な薬物②覚せい剤
覚醒剤は、薬用植物「マオウ」に含まれるアルカロイドの成分を利用して精製した医薬品であり、精神刺激薬でもあります。
使用すると脳神経(主にドーパミン作動性)に作用して心身の働きを一時的に活性化させます。
第二次世界大戦後の日本では「ヒロポン」として広く流通し、乱用する事で依存を誘発し、覚醒剤精神病と呼ばれる中毒症状を起こすことがあるようです。
危険な薬物③コカイン
コカの木に含まれるアルカロイドで、局所麻酔薬として用いられ、精神刺激薬にも分類されています。
日本の「麻薬及び向精神薬取締法」における麻薬で、日本では70年以上医薬品として使用されてきましたが、2021年に製造中止が発表されていました。
使用すると中枢神経興奮作用によって快感を得られ、一時的に爽快な気分になるようです。
依存性は極めて強い部類に含まれますが、主に精神的依存が強く、身体的依存は弱いと言われています。
依存症専門家によるスコアでは、精神依存2.8点に対し身体依存は1.3点と開きがあります。
しかし強い多幸感のため短期間の使用でも依存しやすく、効果が短いため頻繁に使用する事にもなりやすいようです。
クロコダイル薬物は世界最悪の麻薬!皮膚や肉が腐り死に至る!
今回は「世界最悪」と言われるクロコダイル薬物の危険性やその作り方、使用者についても見てきました。
幸いまだ日本国内での利用は確認されていないようですが、若年層のドラッグ事件の増加を考えると、決して安全だとも言い切れません。
死に至る危険薬物を広めないためにも、私達1人1人が薬物に関する確かな知識と危険性を真剣に学んでいきましょう。