みなさんは「ミユキカアイソウ」という怪文書をご存知でしょうか?
20年以上前の怪文書でありながら、その異常なまでの不可解さと内容の不気味さからたちまち有名になり、今なおネット上で議論が交わされています。
今回はこの怪文書「ミユキカアイソウ」についての記事となります。
「ミユキカアイソウ」の怪文書の元となった事件とは?
そもそも「ミユキカアイソウ」という怪文書は、三重県四日市市富田で起こった三重小2女児失踪事件に関係する怪文書です。
この事件はとある小学2年性の女児・加茂前ゆきちゃんが忽然と姿を消してしまった事件です。
まずはこの事件についてご説明しましょう。
三重小2女児失踪事件の概要
小学2年生の加茂前ゆきちゃんは1991年の3月15日の午後2時に友達と別れて自宅に帰宅しました。
前日に夜勤の仕事があった父は在宅していましたが、熟睡していたようです。
午後2時半に母親が電話した際にはゆきちゃんが応対をしたそうです。
しかしその後、午後3時半にゆきちゃんの姉が帰宅すると、ゆきちゃんの姿はどこにもなかったのです。
失踪後ゆきちゃんは見つからず未解決事件のまま
結局その後ゆきちゃんが見つかることはありませんでした。
しかし、ゆきちゃんの好物だったココアが温かいまま飲みかけの状態で放置されていたり、ゆきちゃんが外出時に必ず着用していたというピンクのジャンパーが置いたままなど不可解な点があり、本事件は怪事件とされています。
事件発生後にも無言電話がかかってくるなど、いたずらなのかわからない出来事が多かったようです。
失踪から3年後に謎の怪文書が届く
おまけの中身が知りたくなるニュース : ミユキカアイソウの全文怖すぎやろ なんやこれ https://t.co/zeaCBWD4HA pic.twitter.com/XCeDMhGhYC
— おまけの中身が知りたくて (@OmakeNakami) March 2, 2016
失踪から3年経過したある日、ゆきちゃんの自宅にゆきちゃんの父宛に、ある文書が送られてきました。
その文書は平仮名とカタカナ、漢字が入り混じった非常に読みにくい、不可解かつ不気味な怪文書でした。
この文書によってこの事件は一気に有名になります。
怪文書の全文訳
ミユキカアイソウをしらないひとへ(閲覧注意) pic.twitter.com/JIu4BspTF9
— あるて (@L_E_E_C_H) June 16, 2014
怪文書は全部で3枚存在し、一連の文章となっていますが、非常に読みにくいです。
以下に怪文書の訳を載せました。
書いてあることは変わらず意味不明ですが、原文よりは読みやすくなっていると思います。
1枚目
みゆき、可哀想、可哀想。おっ母も可哀想、お父も可哀想。こんなことをしたのは 富田の股割れ(人名?)と思います。
股割れは、富田で生まれて、学校を出て、春画の表の反対のパーラーボウ(パチンコを意味するパーラーとの説あり。某パチンコ屋という意味?)に勤めた。いつの日か世帯を持ち、何年かして、裏口に立つようになった。今はケータショー(警察署?)の近くで四つ足を操っている。
次に、鈴鹿家の家を蹴落として、荷の向側のところ、菖蒲いっぱいの部屋で、コーヒーを飲みながら、諭吉を握らせた。握ったのはアサやんと思う。
昼間からテルホ(ホテル)に入って、股を大きく割って、家の裏口を忘れて、しがみついた。もう股割れは人を超えて、一匹の雌になっていた。感激のあまり、アサやんの言う通りに動いた。
それが、大きな事件とは知らずに、また、カムチャッカの白雪の冷たさとは知らずに、結果は、みゆきを白寒地獄に落としたのである。
もう春、三回迎えたことになる。堺の薬屋のいたところではないかと思う。韃靼海峡を蝶が超えた。こんな平和希求とは違う。
みゆきの母が、か弱い羽をバタバタ、ヒラヒラさして、我が子を探して、広い韃靼の海を渡っているのである。
股割れは平気な素振り。時には駅の看板に眼を流すこともある。一片の良心がある、罪悪を感ずるに違いない。それを忘れたいために股を割ってくれる雄を探し続ける毎日。
3枚目
八つ裂きにしてやりたい股割れだ。みゆきが可哀想。
我が股を割るときは命懸け。これが人だ。この時が女の一番の尊いときだ。
霊能者の謎とは?
この怪文書が届いた後に緒方達生という霊能力者から捜査に協力するという連絡が届いたそうです。
この霊能力者によるとゆきちゃんはすでに他界しており、ゆきちゃんを誘拐したのは顔見知りの男女二人、自分はダウジングでゆきちゃんの遺体を探すと言うのです。
しかし、その3日後に「捜査を邪魔する別の霊が現れたため捜査に協力できなくなった」と言われたそうです。
悪戯なのかもしれませんが、気味の悪い話ですね。
怖すぎる?謎が多き「ミユキカアイソウ」の怪文書の謎とは?
怪文書には多くの謎があります。
この怪文書が単なる悪戯であるとは言い切れないからなのかもしれません。
怪文書の謎について説明しましょう。
怪文書はただのいたずらではない?
怪文書には「富田の股割れ」なる犯人であろう人物が書かれていますが、真相はわかりません。
実際に「富田の股割れ」なる人物が犯人の可能性もありますが、その人物を特定できるだけの情報が文書には書かれていないので特定は不可能です。
怪文書は悪戯にしてはやけにリアリティのある文書で多くの謎が含まれているのです。
怪文書の謎①失踪した少女の名前が違う
失踪した女児の名前は「加茂前ゆき」で「ミユキ」ではありませんので、この怪文書に書かれた名前とは一致しません。
しかし、怪文書の内容とゆきちゃんの誘拐が関係あるように感じてしまうのです。
もしゆきちゃんについての内容ならば、なぜ「ミユキ」と書いたのでしょうか?
怪文書の謎②カワイソウではなくカアイソウ
怪文書には「かわいそう」ではなく「カアイソウ」と書かれています。
怪文書を読んだ人の中には、まるで外国人が書いたような文だと言う人がいます。
一説には「ゆきちゃんは北朝鮮かロシアあたりにいるのではないか。怪文書の日本語が日本占領下の朝鮮の人たちが話していたものと似ている、一致している。」という意見もあるようです。
怪文書の謎③不規則な文字
怪文書の文章はカタカナ、漢字、平仮名と不規則に綴られています。
なぜこのような読みにくい書き方にしたのかは不明ですが、相手に呼んでもらうための手紙をわざわざ読みづらくしたとは考えにくいので、こう書かざるを得なかったとも考えられます。
なんにせよ悪戯にしては手が込みすぎていると思います
怪文書の謎④失踪から3年後に手紙が届いた
怪文書が送られたのはゆきちゃんが失踪してから3年後のことです。
なぜ3年のブランクが空いたのでしょうか。
犯人を知っているなら、もっと早くに知らせることができたのに、それをしなかったのは謎です。
怪文書の謎⑤父親宛名の怪文書の宛名が間違っている
怪文書はゆきちゃんのお父さん宛に届きましたが、実はその宛名が間違っていたのです。
ゆきちゃんのお父さんの名前は「加茂前芳行」さんなのですが、手紙の宛名は「加茂前秀行」となっていました。
宛名がなぜ違うのか、真相は謎です。
「ミユキカアイソウ」の怪文書の真相は?
この怪文書にはさまざまな考察が存在します。
この怪文書が本当に事件の真相を突き止める鍵なのかどうかは分かりませんが、それでもいまだにこの怪文書の謎を考察する人は後を絶たないのです。
怪文書の考察①富田の股割れが犯人?
15年くらい前、怪文書にハマってました。やはり、有名な「富田の股割れ」の文章が1番凄いです。これには勝てません。幸田涅槃氏でも無理だと思います。 pic.twitter.com/9B8NRJD4WF
— 幸田直樹 (@Naoki_Kouda) December 19, 2019
怪文書内に頻繁に登場する「富田の股割れ」なる人物。
文書によるとこの「富田の股割れ」こそがゆきちゃんを誘拐した犯人ということになります。
一説によると「股割れ」は売春婦を意味しているとされています。
しかし、「富田の股割れ」が誰なのか、本当に実在していて、本当に犯人なのかは現在でも不明です。
怪文書の考察②ゆきちゃんはロシアもしくは北朝鮮に連れ去られた?
手紙の内容の「韃靼海峡〜」のくだりを見るに、ゆきちゃんが日本にいないことがわかります。
また怪文書の文章が「カワイソウ」ではなく「カアイソウ」であったことから、書いたのが朝鮮人かロシア人の可能性があります。
よってゆきちゃんはロシアもしくは北朝鮮に連れ去られたと考えられます。
実際拉致問題という前例があるため、考えられない話ではないでしょう。
怪文書の考察③高齢者が書いた手紙
カタカナと漢字を交えて、難しい表現法を使って書くのは、高齢者の方に多い書き方です。
よってこの怪文書を書いたの高齢者ではないかという説があります。
文章の読みづらさや古めかしさも高齢者が書いたのであれば説明がつくでしょう。
怪文書の考察④アサヤンはヤクザのこと?
文書の後半で登場する「アサヤン」なる人物が出てきます
この人物はヤクザではないかと考えられています。
というのも「アサヤン」とはアナグラムで「アサヤン→ヤアサン」となることから、人物名ではなくヤクザを指しているのではないかというのです。
富田駅で目撃情報があった?
実は事件当日にゆきちゃんの目撃情報がありました。
場所は家の近くの三重県四日市市富田の富田駅です。
また富田駅で目撃される前には、家の付近で白いライトバンに乗っているパンチパーマの男と話している姿が目撃されているのです。
事件の12年後に謎の人物から電話が?
事件から12年が経過した2003年、ゆきちゃん宅に謎の若い男からの電話があったそうです。
その男とどんな会話がされたかは不明ですが、男は「自分はパンチパーマだ」と言ったそうです。
これは白いライトバンの男と共通する特徴で、なおかつパンチパーマの男の話は捜査関係者しか知らないことだったのです。
この男が犯人の可能性もありましたが、結局捕まることはなく、事件は時効を迎えました。
怪文書の真相!売春婦からの謝罪の手紙?
怪文書の内容は「股割れ」という売春婦?が何者かによって犯行を強制され、それを後悔しているという内容でした。
実はこの文書を書いたのが「股割れ」本人であるという説があり、怪文書は股割れの加茂前家への謝罪の手紙だという説があります。
つまり現時点での真相として、「富田の股割れという人物がアサヤンなる人物に唆されてゆきちゃんを誘拐し、大陸(北朝鮮、ロシア)に連れて行った。股割れは自分やったことを後悔しており、加茂前家に手紙を出した」と考えられます。
ミユキカアイソウは事件と関係あり?それとも悪戯?
「ミユキカアイソウ」の怪文書について調べましたが、実際のところはこの怪文書が事件と関係があるのかは分かりません。
単なる悪戯の可能性もありますし、本当に「股割れ」という犯人が存在するのかもしれません。
しかし事件はとっくに時効を迎え、捜査は打ち切られていますが、ゆきちゃんは未だ行方不明のままです。
ゆきちゃんがどこかで生きていることを願います。