高畑勲監督が手掛けるジブリ作品の一つである、戦争をテーマにされた火垂るの墓。
現代では考えられないような戦争の悲惨さを表現しているアニメで、他のジブリ作品とは雰囲気も一味違ったものになりました。
火垂るの墓は夏休み真っ只中の8月に放送されていましたが、いつからか放送されなくなりました。
アニメの描写にカニバリズムを思わせるシーンがあったという都市伝説まで存在し、なぜか子供に見せたくないという声まで上がっています。
火垂るの墓は放送禁止になってしまった理由を徹底解説します。
火垂るの墓が放送禁止になった6つの理由！子供に見せたくないとの声も？
1988年に放送を開始した火垂るの墓は、毎年8月の終戦の時期になると金曜ロードショーにて放送され続けてきました。
戦争をテーマにした作品はジブリ作品では珍しく、戦争の悲惨さをひしひしと感じることができるアニメとなっています。
しかし、子供に見せたくないと言う声が挙がっていることが、火垂るの墓が放送禁止となった理由の一つでもあるようです。
火垂るの墓はいつから放送されていない？最後に放送されたのは？
火垂るの墓が最後に放送されたのは2015年の4月で、いつからか全くといっていいほど火垂るの墓は放送されなくなりました。
8月15日は終戦記念日にあたるため、戦争の事を忘れまいと1988年から毎年放送されてきました。
最後の2015年だけは4月で、高畑勲監督の追悼放送として放送されたものがなぜか最後の放送だったようです。
放送禁止の理由①視聴率が取れない
高畑勲監督のジブリ作品の中でも特に、火垂るの墓の視聴率は厳しい傾向にあることが理由で火垂るの墓は放送禁止となったとも言われています。
高畑勲監督の追悼放送で最後の放送となるまででも、視聴率は一桁代と中々視聴する人が少なくなっているようでした。
他のジブリ作品の中でもとなりのトトロや魔女の宅急便などの物語は、2年ごとの放送にもかかわらず視聴率は安定して二桁を維持しているようです。
放送禁止の理由②サクマドロップスの商標争い
火垂るの墓と言えば節子が持っているサクマドロップスが印象的ですが、なんとこのサクマドロップスを出しているサクマ製菓の兄弟で商標争いが勃発。
現在は和解しているようですが、当時はかなりの社会問題にまで発展しました。
火垂るの墓で出ていたのはサクマ式ドロップスという名称のドロップスだったため巻き込まれて、火垂るの墓が放送禁止になったのではないかと言われていました。
放送禁止の理由③反戦アニメだと考えられた
火垂るの墓が上映さえた1988年は、終戦して43年しか経っていなかったため反戦アニメなのではないかという憶測が飛び交いました。
火垂るの墓は反戦アニメではなく戦争の悲惨さを物語にし、この先も戦争が会ったことを忘れないようにと言う願いが込められています。
政治や国家と言ったセンシティブな部分が触れる戦争をテーマにした作品のため、火垂るの墓は放送禁止になったのではないかと言われました。
放送禁止の理由④怖いシーンが多い
戦争と聞くとやはり怖いイメージが勝つのではないでしょうか。
火垂るの墓でも空襲のシーンや清太と節子の母親が全身包帯姿で寝ているシーンなど、大人でも見ると恐いと感じるシーンが多々出てきます。
あまりにリアルな怖さを漂わせるシーンが多い事から、放送禁止になったのではないかという噂になりました。
放送禁止の理由⑤子供に見せたくないという声があるから
インターネットの検索欄で火垂るの墓を検索してみると、候補に『子供に見せたくない』というワードが出てきます。
火垂るの墓ではトラウマになるような残酷なシーンも多く、子供に見せてしまうと刺激が強すぎると感じる親が多くいるようです。
子供に見せないほうがいいと感じる親が増えたことから、放送禁止になったのではないでしょうか。
祖父は原爆投下翌日に広島に着いた軍人で「地獄やったよ」と子供の頃からずっと聞かされていた。でも怖くて詳しく話す前に逃げてた。じっくり聞いておけばよかったな。はだしのゲンや原爆資料館、火垂るの墓、全部怖い。子供に見せたいような見せたくないような😣
でも教えていかないとなぁ。— おはぎ大好き (@cLPAoPQImekjEs0) August 6, 2020
放送禁止の理由⑥主人公・清太に対する批判
主人公の清太は14歳の青年で、物語の中の重要なキーパーソンとなる人物です。
そんな清太は戦時中を生きる青年であるにもかかわらず、働くこともなく親戚にお世話になるばかりでお礼も言わない青年という印象を強く残しました。
その結果人との関係を切らなければいけなくなり、最終的に妹の節子が亡くなってしまうという悲惨な最後を遂げてしまいます。
そういった清太の姿に疑問を抱いた視聴者が多くいたことで、放送禁止になったのではないかと言われています。
火垂るの墓の放送予定は？配信サービスなどで観れる？
2015年4月の放送を最後に、地上波では全くと言っていいほど見られなくなった火垂るの墓。
長きに渡り戦争の悲惨さを伝えてきた火垂るの墓を、また見たいと言っている人がいる事も事実です。
火垂るの墓はストリーミングサービスや、地上波などで今後も見ることができるのでしょうか？
火垂るの墓に今後放送予定はある？
2015年を最後に放送されていない火垂るの墓ですが、今後地上波での放送予定はあるのでしょうか。
毎年のように火垂るの墓の放送予定は検索されていますが、一向に放送予定のニュースは公表されません。
理由としては視聴率や火垂るの墓の内容を考えると、なかなか地上波での放送も躊躇されると言った点が濃厚でしょう。
火垂るの墓は配信サービスで観れる？
NetflixやAmazon Primeなどのストリーミングデバイスでは、過去のアニメ作品も多く配信されています。
ジブリ作品もその一つで、となりのトトロや風の谷のナウシカなど放送されることもあります。
しかし、ジブリ作品の中でも火垂るの墓は配信されておらず、配信サービスを用いても見る事は出来ないと言われています。
火垂るの墓を見るにはDVDをレンタルするしかない？
火垂るの墓を見るためには地上波での再放送を待つか、レンタルDVDを利用して見るかのどちらかになるでしょう。
地上波での再放送がいつになるか分からないので早く見たいという人は、レンタルDVDを利用することが一番早いでしょう。
TSUTAYAなどはまだ火垂るの墓をレンタルしているようなので、久しぶりに見たいと言う方にはおすすめです。
火垂るの墓の都市伝説が怖すぎる！カニバリズムのシーンもあった！？
火垂るの墓などのシリアスなアニメで必ず行われるのは、『考察』や『都市伝説化』です。
火垂るの墓もいつからか都市伝説が浮上するようになり、ポスターや各シーンでの考察によって都市伝説は本物となりました。
様々な考察や都市伝説が囁かれているので、本物と言われている都市伝説から考察を見ていきましょう。
都市伝説①火垂るの墓のポスター
火垂るの墓のポスターは清太と節子が蛍の光を浴びながら、笑いあっている微笑ましいポスターとなっています。
しかし、火垂るの墓のポスターの画面の明るさを上げてみると、2人の上には戦争当時のアメリカの飛行機『B29』が映ります。
微笑ましいポスターが一変し、蛍の光だと思っていたものは空襲の時に、空の上から落ちてきた焼夷弾だったと表現されているようにみえます。
恥ずかしながら、つい最近知りました。『火垂るの墓』のポスター。光は蛍だとばかり思ってたけど、中には焼夷弾も混じっていて、黒い影はアメリカの大型戦略爆撃機B29。だから｢火(米軍の焼夷弾)が垂れる墓」なんだって。恐ろしいけど感動してしまった。 pic.twitter.com/vFEnTBTFal
— 木村 玲衣 (@kimura_reiii) August 1, 2020
都市伝説②遺影のように見えるシーン
火垂るの墓で有名な都市伝説はポスターのほかに、清太と節子2人の遺影のように表現されたシーンがあります。
節子に喜んでもらうために蛍を沢山捕まえてきた清太は、ねぐらにしている洞窟の蚊帳の中で蛍を放ちます。
2人を囲うように柱が画面に映りこむのですが、このシーンを見た人は『まるで遺影のようだ』と感じる人が多かったそうです。
都市伝説③節子の死因は栄養失調ではない
節子は物語の終盤でドロップスの中に入っているおはじきを口に含むシーンがあり、どんどん衰弱してしまいます。
節子が衰弱していく姿を見た視聴者は、節子はまともに食事を摂れていないため、栄養失調で死んでしまったと思ったようです。
しかし、実際は栄養失調ではなく空襲による粉塵などが混ざった『黒い雨』を浴びたことが一番の原因だったようです。
都市伝説④清太の死因は自殺
清太は東京駅の改札に建っている柱にもたれかかるようにして死亡します。
清太も節子と同様、栄養失調で餓死をしたと思われるほど痩せてしまっているのですが、実は自殺を図ったのではないかと言われています。
家族を亡くし、身寄りまでもなくした清太は生きる希望を見いだせなかったこともあり、ご飯を施してくれる人には無反応でそのまま死亡してしまうのでした。
都市伝説⑤カニバリズム（食人行為）のシーンがある？
火垂るの墓で有名な都市伝説の中には、カニバリズムのシーンが存在するというものが存在します。
カニバリズムであると言われているシーンは、清太が節子の持っていたドロップスの缶から出てきたものを食べているところ。
地面に落ちたドロップス缶から出てきたものは火葬した節子の骨であり、節子の骨を清太が食べていたのではないかという声が囁かれました。
都市伝説⑥清太は地縛霊になった
清太は東京駅の柱にもたれて死んでしまった後、駅に縛られるように地縛霊としてその地に居続けます。
「昭和20年8月22日僕は死んだ」という清太の台詞から火垂るの墓の物語は始まり、冒頭から清太が死亡するということは想像できます。
未だに解消されない清太の無念が地縛霊として駅の改札に残り続けているようです。
都市伝説⑦火垂るの墓の声優が失踪
都市伝説として最も怖いと言われているのが、火垂るの墓の声優陣が失踪したのではないかという噂です。
清太の声優をした辰巳努さんと、節子の声優をした白石綾乃さんが火垂るの墓以降メディアで露出しなかったことが噂の原因です。
実際は二人とも声優業を引退し、一般人として生活をしているので失踪したわけではなさそうです。
都市伝説⑧千と千尋の神隠しに節子が出ている？
高畑勲監督のジブリ作品では、過去に放送された回のキャラクターが出演することもしばしばあるようです。
公式で発表はされていませんが、千と千尋の神隠しに節子が出ているのではないかという声が。
千尋がカオナシと水上の電車に乗るシーンで、おかっぱ頭の女の子が駅で誰かを待っているのです。
兄の清太は駅の改札で死亡しているため、清太を待っている節子と設定が飛び交っています。
火垂るの墓が放送禁止になった理由は様々！最も濃厚なのは視聴率の壁
大人気のジブリ作品である火垂るの墓が放送禁止となったであろう理由は様々あり、最も濃厚なのは視聴率の壁ではないでしょうか。
時代は進み、悲惨な内容の物語よりも明るい物語が好まれる世の中になりました。
しかし、戦争の事実を忘れないためにも、どこかで見直す時が来るかもしれません。
いつか、火垂るの墓が地上波で再放送される日が来る可能性も考えられるので、待ちましょう。