中国の伝統芸能「変面」をご存知ですか?
変面とは?変面の仕組みは国家機密?
変面って、中国の伝統劇「四川の川劇(せんげき)」の一部なのです。
変面についてあまり詳しく知らない人、結構いるんじゃないでしょうか?
まずは、変面がどんなものなのかを、ざっくりと解説していきますね。
変面とは?
変面は、瞬時に次々と面が変わるというもの。
正確には変臉(へんれん)と呼びます。
1996年の中国映画「變臉(へんめん)この櫂に手をそえて」が日本公開されました。
臉は本来「れん」と読むものの、日本で一般的ではなく読み方が難しいことからあえて「めん」と読ませてこのような邦題がつけられています。
そこから派生し「変面」(へんめん)という表記が一般化しました。
変面は川劇の中で行われるものです。
劇で面を付けると、ずっと表情が変わらないままとなってしまいますよね。
変面を用いて面を次々と変えることで表情に変化を出し、喜怒哀楽を表現することができます。
変面の人気の理由はなんといってもその素早さです。
面に手や扇をかざしたら次の瞬間にはもう面が変わっている、一瞬後ろを振り向いた後、前を向いたときには面が変わっているなど、まさにあっという間の早技です。
変面の仕組みは国家秘密なの?
変面では瞬時に面が変わるので、その仕組みが気になる人も多いでしょう。
700年近い歴史を誇る変面は、政務院総理・国務院総理を務めた周恩来の意によって変面の仕組みは中国の国家機密とされています。
また、変面の技術は一子相伝であり、その仕組みについては門外不出のため、変面師に聞いても教えてもらうことはできません。
しかし、変面は国家機密の一子相伝であるにもかかわらず、いろいろな場で見ることができます。
これは本家の変面や資料などからその仕組みが暴かれて、伝承者でなくても変面ができるようになってしまったためです。
伝承者から変面の仕組みを直接教えてもらったものではないので、必ずしも同じ仕組みとは限りません。
しかし世間に広まった仕組みは「おそらく本家と同じ仕組みであるだろう」と言われています。
【国家秘密】変面の仕組みを大暴露!
変面は瞬時に10枚もの面が次々と変わっていきます。
本家の仕組みがどうなっているのかははっきりとわかりませんが、世に広まった方法であれば、その仕組みを知ることができます。
それでは、変面の仕組みを大公開したいと思います!
変面の仮面から素顔になる方法は?
変面の仮面から素顔になるには、重ねた面を剥いでいくだけです。
変面の仕組みは意外とシンプルで、絹のような滑りの良い生地の面を重ねて付けておいて、紐などで引っ張ることで面を剥いでいきます。
面を剥いでいく手法は剥面(はくめん)と呼ばれ行動な技術を必要とします。
面を隠している間に紐などで引っ張って剥面を行うのですが、紐を引っ張る動作が見えないようにしなければいけません。
変面師が派手なマントとだぶついた衣装で登場するのは、紐を引く動きがバレないようにするためと、剥がした面を隠しやすくするためという2つの理由が考えられます。
また、面は特別な接着剤で固定されているそうです。
湿度や温度に影響されにくい接着剤を使うことにより、スムーズに剥面ができる仕組みなんだそうですよ。
こちらの動画では、剥面が行われています。
超スロー再生で面が引っ張られる様子がよくわかりますね。
超スロー再生をしないとわからないというのは、それだけすごい技術ということではないでしょうか。
変面の素顔から再び仮面を被る方法は?
素顔になるためには単純に重ねた面を脱いでいればいいのですが、逆に再び面をかぶる場合はどのような方法でかぶっているのでしょう。
きっと多くのひとは、こちらの方法に興味があるのではないでしょうか。
諸説ありますが、冠にかくしてあったものを引っ張り出して顔に被せているという説が有力です。
剥面よりも、素顔に面を装着するほうが難易度が高いと考えられます。
変面の仕組みは再現できる?
実際の伝統劇で使うような、大掛かりな変面の衣装を用意することはなかなか難しいです。
しかし、ヘアバンドを使えば簡易な変面の仕組みを再現することは可能です。
その手順は以下の通りです。
- ヘアバンドを頭頂部と顎に引っ掛けて、縦に被る
- ヘアバンドをおでこの少し上気味の場所に着ける
- お面の代わりに滑りのよいハンカチを2枚~3枚ほど用意する
- ハンカチそれぞれに紐を付けて引っ張れるようにしておく
- それらのハンカチを重ねて、おでこ、顎、顔の左右のヘアバンドで挟み込む
- 紐を引いて面を外せば変面ができます
ただし、この方法を試しても、おそらくハンカチがうまく1枚ずつ剥がれなかったり、ハンカチの摩擦で顔に痛みを感じたりなどしてうまくいかないことが多いでしょう。
綺麗な変面を行うには、それだけしっかりとした技術や工夫を凝らして作られた面などが必要ということです。
当たり前ですが、たとえ仕組みは再現できても本物の変面には到底及びません。
変面には失敗も?
変面には高度な技術が必要です。
仕組みがシンプルである分、紐を引いていることをバレないように瞬時に行うのには相当な練習をこなさなければなりません。
そのため、変面師の人たちはその技術を日々磨いています。
しかし、それでも変面に失敗をしてしまうこともあるようです。
こちらの動画では帽子が脱げて顔の仕組み部分が見えてしまっています。
また、面がうまく剥がれなかったり、面が服に収納される様子が見えてしまうことも多々あるようです。
それだけ変面はプロであっても難しいということです。
誰でも変面師になれる方法とは?
変面には技術が必要であり、独学でその技術を身につけることかなり難しいでしょう。
また、変面の衣装や道具をどこで購入すれば良いのかわかないということもあります。
しかし、プロに教わればこれらの問題は解決できます。
そのため、変面師になりたいのであれば、変面のレッスンを受けることも検討してみてはいかがでしょうか。
変面のグッズはネットで買える
意外にも、変面のグッズはネットで購入することが可能です。
変面衣装を販売しているサイトはこちらです。
一点一点手作りにこだわり、変面衣装を制作しており、衣装と演技指導がセットになった商品もあります。
気になるお値段はけっこう高めですが。
また、Amazonやヤフオクなどでも変面衣装が出品されています。
国家秘密の変面の仕組みについてのまとめ
中国の伝統芸能、変面の仕組みを紹介しました。
本家の仕組みは国家機密のため、他に漏らしてはいけないことになっています。
しかし、資料などをもとに仕組みを広めた人々により、今日では変面の仕組みが明かされています。
変面を習得するのはかなり難しそうですが、もし変面ができたら忘年会や歓迎会などの場でできたら場を盛り上げられること間違いなしですね。
ネットでは変面の衣装も買えるようですので、興味のある方はご覧ください!