インターネットの世界の中には、時に改名不可能と思えるほど摩訶不思議なものが隠れていることもあります。
怪奇現象や難解事件、神隠しなどの伝説の話がネット上や噂話などでどこにでも転がっている中「消えていくカナの日記」も不可思議な話として有名です。
日記を書いている理由や末路があまりにも怖すぎるとして、その内容を知った人からも怖がられているほど。
そこで今回は、「消えていくカナの日記」の内容について徹底考察し、その結末についてもご紹介します。
【実話?】消えていくカナの日記とは
「消えていくカナの日記」というのは、”ケント”という男性が自身の彼女である”カナ”の様態について掲載したブログ記事のタイトルとなっています。
日記には、カナと一緒に過ごした思い出や彼女が描いた絵などが投稿されていました。投稿が始まったのは、2008年のことです。
綴られた日記のタイトルにはブログを書き始めてから~日目と表記されており、日付が経つたびに日記の内容が鬱々としていて花の絵も雑になっていきます。
投稿されている日記の内容からは、カナが難病にかかりケントが看病しているような印象を受けるものでした。
花の絵も初めたばかりの投稿ではとても上手な絵だったのですが、次第にその花は子どもが描き殴ったような絵になっていきます。
絵を綺麗に描けなくなったカナですが、それでも何かを伝えたかったように彼女は花の絵を描き続けます。
カナの病態は進行するばかりで、ケントは彼女が絵を描くたびにそれを写真に撮ってブログに投稿し続けます。
絵も花と形容できるのか分からないような形となっており、もはや何のために描いているのかすら分からないレベルです。
加えて、ケントのことも認識できないほどに機能が衰弱してしまっているらしく、自分のことを愛してくれたカナが消えてしまう、という悲しい内容の投稿も見られました。
やがて、112日目という最新の日記から投稿は途絶えてしまいます。
最後のブログには、カナではなくケントが描いた木の絵の写真が投稿されていました。
このブログ記事は何のために投稿されたのか気になりますね。
「変な家」の雨穴さんが作成したフィクション
実は「消えていくカナの日記」というブログ記事は架空のもので、YouTuberとして活動されている雨穴(うけつ)さんが作った物語です。
雨穴(うけつ)さんは不動産ミステリー「変な家」で一躍有名となりましたよね。
「消えていくカナの日記」の物語の内容としては、上記で紹介したブログの真相を読者が考察して読み解いていくという話になっています。
雨穴さんがこの物語について語っている動画を自身のYouTubeチャンネルでアップロードされています。
概要欄には、「※この動画の内容はフィクションです」と掲載されているので作り話で間違いないようです。
監禁事件という真相が隠されたブログ
「消えていくカナの日記」を見た読者が、実はこのブログはカナが監禁生活から抜け出すためのSOSのメッセージであることに考察します。
ケントがカナを監禁しており、カナは監禁生活から抜け出すため描いた花の絵にSOSのメッセージを隠してケントにブログを投稿するように仕向けました。
この時ケントは、花の絵を自慢したいという純粋な気持ちであると汲み取りカナの願いに答えて投稿したのです。
しかし、このブログは読者に真相を知ってもらうためのカナの最後の希望でした。
消えていくカナの日記は実在する?
この話の発信源は「変な家」で有名な雨穴さんであり、本人もフィクションとYouTubeの概要欄に掲載しております。
しかし、この話が本当にただの作り話なのでしょうか?
実はこの日記があたかも実話であったような事を匂わせるような点が2つあります。
一つ目はYahoo!知恵袋でこの話を調べたところ、妙に閲覧数が多い事が気になります。
質問者が
について聞いた投稿があるのですが、閲覧数が3万数以上も上回っているのです。
回答ではほとんど「ない」という答えでしたが、「それと似たようなブログはあった」と回答していた人がいたのです。
実話だとすれば、この日記は10年以上前になるのでタイトルや内容を忘れていて、なにかの記憶と混同し曖昧な記憶として留まっている人がいたのかもしれません。
二つ目は、雨穴さんが動画で意味深な言葉を投げかけていた事です。
YouTubeの17:50あたりで、「現実と空想がごちゃまぜになっているのです」と言って動画が終わってしまいます。
動画の最後のオチとは言え、「消えていくカナの日記」が空想という事は言い切れるのでしょうか?
消えていくカナの日記というタイトルの意味は?
そもそも、この「消えていくカナの日記」というタイトルにも目が行きます。
ブログの内容としては、ケントとカナの日常の内容を記したものであり、途中から精神疾患を患ったらしきカナのことが書かれています。
ただ、カナの精神疾患は当初からのものではありませんから、最初はタイトルが別であった可能性が高いでしょう。
「精神疾患で自分が知っていたカナが消えてしまう…」と感じたケントによって、タイトルを変更したと思われます。
監禁されていたカナの末路を考察!
この物語は、読者が真相を解き明かした後に警察に通報して終わります。
しかし、カナが実際どうなったのかは分からないままです。
ですが、この監禁事件の末路には3つのシナリオが考察されていますので、一つずつ見て行きましょう。
カナは助かっている説
一つ目は、「カナは助かった説」です。
なぜカナは助かったのか、その糸口はケントが逮捕前と逮捕後に描かれた木の絵にあります。
逮捕後の木の絵は、精神鑑定を図ったものでケントの心理状態を表します。
逮捕後の絵をみると、新たに切断された木の枝が一本生えています。
また、新たに尖った木の枝も一本増えているのです。
この絵を心理学的観点から解析すると、尖った枝は攻撃性を示し、切断された枝は絶望を示すようです。
彼は、カナに対して新たな絶望と攻撃性を抱いていた事になります。
つまり、監禁事件の末路に当てはめるとケントはカナに裏切られ逃げられてしまったと解釈できます。
カナを捉える事が出来ないまま、警察に捕まってしまい彼女に対する憎しみの憎悪が攻撃的な感情になったのではないのでしょうか?
カナは殺された説
2つ目は、「カナが殺された説」についてです。
木の絵はカナである事を表したという一説がありました。
そして、木のそばにある椅子はケントを表しています。
なぜこの絵がケントとカナを表しているかというと、タイトルが関係しています。
「消えていくカナの日記」と、切断された木の枝を考えるとそれがカナであることを想像できますね。
隣にある椅子は、カナを見守っているケントのようにも見えます。
そう考えると、逮捕後の木の絵は頸部と思われるような上の部分の枝が切断されているので、首を切断されてしまったのではないのかと言われています。
カナはもともと存在しない説
3つ目は、「カナは元々存在しない説」について解説します。
この一説が考えられる要素は、「消えていくカナの日記」というタイトルに隠されています。
現実と想像が曖昧になっているというケントの精神的特徴から、彼は犯罪の衝動を抑えるためにもう一人の人物が彼の内から実在していたと言えます。
もう一人の人物とはカナの事であり、ケントの心の中にカナがいるという解釈です。
つまり、「消えていくカナの日記」が作られたということはケントの良心を消すためだと考えられています。
ケントという男性の正体は?
「消えていくカナの日記」は、絵を見るだけでは精神障害を抱えたカナと看病をするケントのようにも見えますが、実際は全く別の関係せいであったことが分かります。
そもそもの関係性として、監禁されていたカナと監禁していたケントというのが本当に会ったのかどうかも、いくつかの考察を見れば100%確実とは言い切れません。
とするならば、この日記をネット上に投稿したケントという人物の正体についても気になるところですよね。
ケントが最後に捕まった理由は?
日記を投稿していたケントは、最終的に警察に逮捕されたらしきことが分かっています。
その理由は、犯罪心理と描画テスト、という本に乗っている犯罪者が描いた絵の中に、ケントが描いたものが載っていたからです。
警察に通報こそしたものの、ケントが逮捕されたというのは事実として描写されていませんでした。
しかし、犯罪者の描いた絵の中にケントのものが載っているのですから、ほぼ事実とみて間違いないでしょう。
ではなぜケントが捕まったのか、その理由は至極単純で、考察されていた監禁事件の犯人であったためです。
彼が描いた絵には、木と椅子が描かれています。一見するとシンプルですが、よくよく見れば木の枝が4本切れているなど不自然な点が見られます。
犯罪心理を当てはめてみれば、腕や足を切断したために木の枝を切っている、というような考察が考えられており、単なる絵から実に恐ろしい心理が浮き上がってきますね。
「消えていくカナの日記」を彷彿とさせる実際の事件
上記でも前述しましたが、この物語は本当に作り話なのでしょうか?
実際、「消えていくカナの日記」という話を彷彿させるような事件がありました。
話の中に出てきたジェーン誘拐事件も、実際にあった事件と言えます。
長岡京ワラビ採り殺人事件
1975年5月23日に、長岡京市内にあるスーパーマーケットでパートをしている主婦二人が山にワラビを取りに行って行方不明になりました。
そして、2日後に山頂付近で二人の遺体が発見されました。
主婦Aのポケットからは、SOSのメッセージが書かれたレシートが出てきました。
そのメッセージには、「オワレテイル たすけて下さい この男の人わるい人」と書いてあったようです。
木々や竹が生い茂った山に「たすけて下さい」というメッセージがあったことは、「消えていくカナの日記」の話と似ていますね。
ピザの注文で救助を要請した事件
米フロリダ州で恋人に監禁された女性が、ピザ注文サービスを使って助けを呼んで無事救出された事件がありました。
注文画面のコメント欄に、「監禁されています。911に助けを呼んでください」と書き込んでいました。
デジタル機器を使ってSOSを求めていた事や、監禁という点が似ています。
ピザ配達員の機転で女性の命が救われた事件
ドミノピザの店員が配達先で男性に商品を手渡したところ、その後ろで女性が口をパクパクさせながら訴えていました。
「助けて」「通報して」と言っているように見えたピザの配達員は、その場を離れ警察に通報します。
こちらも似たような事件ですね。
ジェーン失踪事件
雨穴さんが日記について相談を持ち掛けた、いつもお世話になっている相手は、日記を見て「ジェーン失踪事件」と同じではないかと考えていました。
1980年代にアメリカで発生した事件で、男が女を誘拐して自宅のベッドに監禁し、女は逃げられないと分かって男に従う振りをします。
数年が経過したのち、男が逮捕され女は救出されます。この際、男は「彼女は僕の恋人だ」と主張し、精神異常を患っていることが発覚しました。
その男の名前は、エドワード・サモンドと言います。この関係性は、ケントとカナのものに非常によく似ていますね。
「消えていくカナの日記」はフィクションだが実在してもおかしくはない
「消えていくカナの日記」は、「変な家」で有名な作者・雨穴さんがフィクションとしていますが、本当に実在した事件をもとにしたのかはわかっていません。
事実、「消えていくカナの日記」のような監禁事件は実際に起こっています。
エンタメとして楽しむのか、何かしらのメッセージ性を読み解くかはあなた次第です。