タイタニック号を引き上げない衝撃的な理由5選!ユネスコ保護下で環境保護が理由だった?!

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アカデミー賞で作品賞と監督賞を含む11部門を受賞した大ヒット映画「タイタニック」。

この映画は実存した船の沈没事故をモデルにしており、沈没の経緯や沈んだ場所はわかっているものの、タイタニック号は現在も海の底に沈んだままです。

この記事ではタイタニック号を引き上げない理由をまとめました。

話題となったタイタニック号見学ツアー潜水艇の事故についても触れています。

【この記事でわかること】

  • タイタニック号を引き上げない理由
  • タイタニック号の都市伝説
  • タイタニック号の今後の見通し

タイタニック号を引き上げられない理由とは?

映画「タイタニック」のモデルとなったのはイギリス船籍のロイヤルメールシップ・タイタニック号です。

処女航海中の1912年4月14日深夜、氷山に衝突し翌15日未明に沈没しています。

船の沈んでいる場所や沈没の経緯がわかっているのに、タイタニック号はなぜ引き上げられないのでしょうか。

5つの理由を紹介します。

理由①沈没した時期

タイタニック号が沈没したのはイギリス・サウサンプトン港からアメリカ・ニューヨークへ向かう航海の4日目のことでした。

当時世界最大級の豪華客船であったタイタニックは2,224人の乗客を乗せており、この事故で1,514人が亡くなっています。

被害者数は1912年当時最多、史上最悪の海難事故となりました。

事故直後は混乱が続いており、人命救助や救助された人の保護が優先され、すぐに船を引き上げることを考える余裕はありませんでした。

1912年当時の技術では海の底深く沈んだタイタニック号を引き上げることは不可能であり、わずか2年後には第一次世界大戦が勃発したため、タイタニック号どころではなくなってしまいました。

そのまま110年余りの月が経ち、引き上げは困難となっています。

理由②環境保護のため

タイタニック号が沈んだのは1912年ですが、沈没した船が発見されたのは1985年のことです。

1985年9月1日にアメリカとフランスの合同遠征隊が海底でタイタニックの残骸を発見しています。

発見当時、沈没から70年以上が経過していました。

船体は長い間海の底に沈んでいたため腐食や損傷が進んでおり、かなり脆くなっています。

タイタニック号の現在の姿は、ボロボロに錆びてつららのようなもので覆われている状況です。

脆くなった船は無理やり引き上げてしまうとバラバラになってしまいます。

タイタニック号を引き上げることは周辺界域の環境に大きな影響を及ぼすため、引き上げることは控えられているのです。

タイタニックがひとつの生態系に

現在、タイタニック号の船体は、人工漁礁として生物たちの住みかとなっています。

引き揚げてしまうと、そこに築かれた生態系を破壊してしまう恐れがあります。

タイタニック号が作った生態系の中で新種のバクテリアも発見されました。

ハロモナス・ティタニカエというこのバクテリアは、鉄を食べて活動する鉄バクテリアです。


鉄を酸化させたエネルギーで代謝し活動しており、 船体は長い時間をかけて徐々に劣化していきます。

2100年にはタイタニック号は跡形もなく消えると見られています。

ハロモナス・ティタニカエの特性を利用して世界中の海底にある金属ゴミを解消する可能性も指摘されているんだとか。

海洋生物の生息地として重要なタイタニック号を引き上げることは生態系を破壊することになってしまうのです。

こちらの動画では、タイタニック号が生態系の一部としてどのような状態になっているのかが紹介されています。

理由③現代の技術では困難

タイタニック号は豪華客船で非常に大きな船です。

  • 全長:269.1m
  • 全幅:28.2m
  • 高さ:53m
  • 重さ:6328トン

巨大な船を引き上げるには相当な技術が必要です。

沈んだ船体以上に大きなクレーン船を用意しなくてはなりません。

また、船が沈んでいるのは3,600m以上の深海で富士山の標高とほぼ同じ深さです。

巨大な鉄の塊を深海から引き上げる技術がないため、引き上げることは不可能なのです。

理由④費用が高い

費用の面でも引き上げは困難を極めます。

2014年に韓国で起きたセウォル号沈没事故では、2017年から2018年にかけて引き上げ作業が行われました。

水深約44メートルの海底から重さ6,586トンのセウォル号を引き上げるのにかかった費用は約850億ウォン(日本円で108億以上)です。

もし巨大なタイタニック号を海底3,600mの深さから引き上げることになれば、費用はさらに莫大なものになるでしょう。

また、引き上げに成功しても船を解体処分する場合にも、保存する場合にも莫大な費用が必要になります。

莫大な費用を誰が負担するのかという問題も出てきます。

ユネスコの環境保護下にある?

2012年、ユネスコは海底4,000メートルに眠るタイタニック号を水中文化遺産として保護下に置くことを発表しました。

海底に眠るタイタニック号は、文化的に重要な歴史的遺物であり文化的価値も高いと考えられています。

また、世界で最も有名な難破船として、海上での安全確保に関する国際条約であるSOLASが制定されるきっかけとなっています。

タイタニック号を現状のまま保存することは、現在や将来のために重要であるとユネスコは考えているのです。

理由⑤品物は引き上げられている?!

船体を引き上げることは難しいですが、一緒に沈んだ品物についてはすでに引き上げられています。

もはやむりに船体自体を引き上げる必要はありません。

2004年6月、タイタニック号の損傷状態を調査する探査プロジェクトが行われています。

その後、タイタニック国際保護条約がまとまり、タイタニック号は保存対象として違法な遺品回収行為を防ぐことが決まりました。

しかし、無断で海底の遺品を回収する行為も広く行われています。

引き上げられた品物は食器やおもちゃ、日用品などで、タイタニック由来の品としてオークションに出品されて、落札総額は146億円にもなりました。

タイタニック号を引き上げないとヤバい?今後どうなる?!

タイタニック号は2024年現在も海底に沈んだまま。

すでに沈没から110年以上経過しており、バクテリアによる分解が進んでいます。

深海の海流の影響や塩水による腐敗も進んでおり、船体は少しづつ崩壊しているといっていいでしょう。

写真や映像などでも船体の腐食や破損が進んでいる様子が見られます。

タイタニック号は人工物ですが、長く海の底に沈んでいたために現在は自然の一部になり、専門家の分析では2030年には形を保つことができず消滅すると言われています。

タイタニック号詮索の潜水艇が行方不明で死亡?!

2023年、再びタイタニック号が注目される出来事がありました。

タイタニックの見学ツアーを行っていた潜水艇タイタンが遭難し、乗っていた5名が亡くなってしまったのです。

見学ツアーを運営していた「オーシャンゲート」のCEOの妻がタイタニック号の犠牲者の玄孫だったことが明らかになっています。

夫妻の玄孫が潜水艇遭難事件の関係者にいたことで、ネットでは「運命を感じる」という声もありました。

タイタニック号の謎がヤバい!衝撃の都市伝説3選

歴史的な大きな事故や事件が起こると、都市伝説的な噂や謎が囁かれます。

タイタニック号も例外ではなく、いくつかの謎があるとされています。

その謎とは、どのようなものなのでしょうか。

遺体がない

タイタニック号の沈没によって犠牲となった人は1500人以上ですが、見つかっていない遺体がほとんどです。

そのため「見つからない遺体」や「消えた遺体」などと言われ、謎の1つとして扱われることがあります。

しかし、遺体は船から振り落とされたり、海底で流されたりなどされた可能性が高いでしょう。

また、遺体は海洋生物にとっては貴重なタンパク源となるので肉、は食べられてしまい、骨も海水によって分解されるため最終的には何も残らないのだと考えられます。

遺体が消えたように見えるのは海の一部になったためです。

ただし、海底は気温が低く、酸素も少ないことから、遺体や遺骨は残りやすいので、調査ができていない船内の密室で遺体が見つかる可能性も残されています。

姉妹船とのすり替え

タイタニック号にはオリンピック号という姉妹船がありました。

オリンピック号の方が先に運用が始まりましたが、造船時期は同時期で、写真や資料が混同されるほど見た目もそっくりだったと言われています。

そのオリンピック号はタイタニック号が沈没する7カ月前に衝突事故を起こして船体に穴が開きました。

そのため、見た目が似ているオリンピック号とタイタニック号をすり替えて、これらの船を保有する海運企業が保険金を得ようとしたと噂されることもあるようです。

それを裏付ける根拠として「タイタニック号に乗る予定だったホワイト・スター・ライン社の重要人物やその関係者達が当日突然乗船を取りやめた」という噂もあります。

しかし、いくら似ていると言っても全く同じデザインや造りではありませんし、沈没する可能性のある船に2,000人以上もの人を乗せることも考え難いでしょう。

事実とは異なる可能性が高いものの、まことしやかに囁かれる都市伝説です。

タイタニック号は呪われた?沈没が予測されていた!

タイタニック号にまつわる都市伝説3つ目は、「沈没事故は予言されていた」「タイタニックは呪われていた」というもの。

タイタニック号が沈没する14年前の1898年、「タイタン号の遭難」という小説が出版されています。

その内容は「絶対に沈まない言われた巨大な豪華客船がはじめての航海で氷山と衝突し、沈没する」というもので、タイタニック号の事故そのもの。

この小説については後に加筆修正され再刊されたものが広まったといわれています。

また、タイタニック号にはエジプト王家のミイラが乘せられていたと言われています。

エジプトのピラミッドで眠るミイラには「王家の呪い」が込められているんだとか。

イギリスからニューヨークへミイラを移送するのに用られたタイタニック号は、その呪いを受けて沈んだという噂があるようです。

タイタニック号でミイラを移送したという正式な記録はないようで、あくまで噂であり都市伝説ですが、「かの有名なツタンカーメンを乘せていたのでは?」という主張も存在するようです。

タイタニック号の沈没場所と航路が引き上げ困難の要因?

続いては沈没した場所や航路をご紹介します。

タイタニックはどのようなルートでアメリカに向かっていたのでしょうか。

沈没した場所が引き上げ困難の要因になっているのはどうしてなのでしょうか。

タイタニック号の沈没場所はどこ?

タイタニック号が沈んだのは大西洋のニューファンドランド島の沖合いです。

この場所は排他的経済水域の外、つまり公海です。

排他的経済水域は国家の主権が及ぶ海域ですが、公海は各国が自由・平等に使用出来る海とされています。

そのため、タイタニック号を引き上げるためには、国際的な協力や許可が必要となってきます。

どこかの国が独断で引き上げ作業をすることは許されません。

タイタニック号を引き上げることができないのは、技術的、経済的、文化的な理由のほか、政治的な理由も関連しているのです。

タイタニック号の当時の経路は?

北米で最も東に位置するニューファンドランド島はカナダの一部で沿岸に漂う氷山や、世界的にも珍しい淡水湖を取り囲むフィヨルド地形などの観光資源を有しています。
タイタニックが沈没したのは、氷山と接触しためでした。
無線で他の船から警告を受けていたにも関わらず、あまり重要視していなかったそうです。
また、本来であれば一ヶ月早く出港予定したが、遅れたために流氷が増えてしまったことも事故の原因の一端です。
北大西洋の定期便は定時航行が最優先事項であり、スケジュールを厳しく守らなければいけませんでした。
そのため危険に対する警告があっても単なる注意程度のものであり、スピードを緩めるには至らなかったのです。
氷の多い海域で、衝突を危機一髪でかわすことも日常的でした。

事故が起こった4月の大西洋の水温はかなり低く、乗客の大半は低体温症などで亡くなったと考えられています。

タイタニック号の航路は、

  • サウサンプトン(イギリス)
  • シェルブール(フランス)
  • クイーンズタウン(アイルランド)
  • ニューヨーク(アメリカ)

というものでした。

タイタニック号は1914年4月10日に出港しています。

約6日でニューヨークに到着予定でしたが、4日目に事故が起こってしまいました。

タイタニック号を引き上げない理由まとめ!今後がヤバい?!

沈没船タイタニック号を引き上げない理由を紹介しました。

生態系への影響や技術的な問題のほか、政治的な問題でも引き上げが困難です。

タイタニック号は分解が進み、いずれ消滅すると言われています。

多くの犠牲者を出してしまったタイタニック号は形として残らず、写真や映像などの記録だけとなってしまいます。

悲惨な沈没事故のあった事実を忘れないように、記録と共に人々の記憶にも残していかなければならないでしょう。

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