幼いころ、誰もが一度は聞いたとがあるであろう「さっちゃん」という童謡。
ほのぼのとした雰囲気のこちらの童謡には、隠された4番目の歌詞があるのをご存じでしょうか?
さっちゃんの歌詞は99番まで用意されており、そのなかでも特に4番の歌詞には呪いがこめられているのだとか。
今回は呪いの歌と呼ばれる「さっちゃん」について詳しく解説していきます。
「世界の民謡・童謡」で紹介されている正式な童謡名は「サッちゃん」です。
記事内には「さっちゃん」「サッちゃん」の表記が混在していますが、その理由については記事を読み進むとわかりますよ。
【歌詞全文あり】童話「さっちゃん」の歌詞は99番まで存在する?
「さっちゃん」といえば「サッちゃんはね♪」というフレーズで始まる有名な童謡です。
一般的に知られているのは3番までですが、実は99番目まで存在することを知っている方はほとんどいないでしょう。
童謡「さっちゃん」の歌詞全文をご紹介します。
「さっちゃん」の1番〜10番の歌詞全文
よく知られる3番までの歌詞では、さっちゃんという小さな女の子のことを愛でるような優しい歌詞表現です。
しかし5番目以降は童謡とは思えないような物騒な言葉が並び、恐怖を掻き立てるような内容になっています。
<1番>
サッちゃんはね サチコっていうんだ ほんとはね
だけど ちっちゃいから 自分のこと サッちゃんって呼ぶんだよ
可笑しいな サッちゃん<2番>
サッちゃんはね バナナが大好き ほんとだよ
だけど ちっちゃいから バナナを 半分しか 食べられないの
可哀相ね サッちゃん<3番>
サッちゃんがね 遠くへ行っちゃうって ほんとかな
だけど ちっちゃいから ぼくのこと 忘れてしまうだろ
寂しいな サッちゃん<4番>
さっちゃんがね おべべをおいてった ほんとだよ
だけどちっちゃいから きっと貰いにこないだろ
悲しいな さっちゃん<5番>
さっちゃんはね 線路で足を なくしたよ
だからお前の足を もらいに行くんだよ
今夜だよ さっちゃん<6番>
さっちゃんはね 恨んでいるんだ ほんとはね
だって押されたから みんなとさよなら 悔しいね
あいつらだ さっちゃん<7番>
さっちゃんはね 仲間がほしいのほんとにね
だから君も連れて行ってあげる
やさしいでしょ? さっちゃん<8番>
さっちゃんもね 悔しかったんだ君の事
何で君は生きているの?君がほしいよ
ほしいな さっちゃん<9番>
さっちゃんはね 今日が死んだ日だから
誕生日がほしいな♪でもきめたんだ
オマエガホシイ さっちゃん<10番>
さっちゃんはね この歌きくと落ち着くの
あなたもいっしょに歌わない?
あの世で さっちゃん
7番から10番までは聞いた人が自分の命を狙われているのではないかと錯覚するほど不気味な内容です。
呪いの歌と言われてしまうのも納得な内容になっていますね。
「さっちゃん」の11番〜15番の歌詞全文
11番からの歌詞を見てみると、明確にさっちゃんが亡くなっていることが分かる内容になっています。
これまでの歌詞と違い、「君」「お前」など誰か特定の人物を恨んでいるような描写が多いのも特徴です。
<11番>さっちゃんはね お前の体に取り付いて
人を殺していったよ 一人で笑ってる
もう誰もいない<12番>
さっちゃんはね みんなを殺した ほんとかな
だからみんなに嫌われちゃって 泣いちゃったんだよ
寂しいね さっちゃん<13番>さっちゃんはね お前の体を返したよ
でもねたくさんの悪霊が後ろから
また君を殺す<14番>さっちゃんはね カマをもってた 見たんだよ
だから押した人見つけて 頭をとったんだよ
うれしいね さっちゃん<15番>
さっちゃんはね 赤いの好きだよ ほんとだよ
だからカマをもって 君の後ろに立ってるんだよ
振り上げた バイバイ
「殺した」などの言葉もあり、とても童謡とは思えない内容ですね。
14番目の歌詞にある「押した人見つけて」という部分には、何か特別な意味が込められているように感じ取れます。
11番以降の歌詞については、順序が入れ替わっていたり、多少表現が違うものがあるようです。
99番目の歌詞
最後となる99番目の歌詞はこちらです。
ずっと恨んでいた相手に対し復讐を果たした様子が伺えます。
<99番>
さっちゃんはね 私を殺した奴にね
自分の魂 すりつけてみたんだよ
しかえしだ さっちゃん
可愛らしい女の子だったさっちゃんの面影はなく、死神と化してしまったのでしょうか。
4番の歌詞に隠された放送禁止レベルの怖い意味とは!?
さっちゃんの歌詞は、3番目までしか知られていないケースが多いかと思います。
「4番目の歌詞を聞くと呪われる」といった逸話もあり、少し不気味な雰囲気がしますよね。
さっちゃんの歌詞に注目しながら、4番目以降の歌詞も見ていきましょう。
「さっちゃん」の内容
さっちゃんの童謡は、一般的に3番目までしか使われないことが多いです。
保育園や幼稚園で歌う際にも、4番目以降が歌われることはなく必ず3番で終わります。
カラオケ配信や歌詞検索サービスなどでも3番までしか歌詞がありません。
そのため、4番目以降も歌詞があるということを知らない人も多いのではないでしょうか。
「サッちゃん」から「さっちゃん」に
ここで、表記に注目して欲しいと思います。
4番目の歌詞に突入すると、サッちゃんの表記が平仮名の「さっちゃん」に変わっていることにお気づきでしょうか。
表記ミスではなく、意図的に変えた可能性が高いと考えられます。
それは4番目の歌詞に特別な意味をもたせるためです。
1〜3番までは「サッちゃん」、それ以降は「さっちゃん」となっていますが、これは都市伝説としての「呪いの歌さっちゃん」を表しているのではないでしょうか。
呪いの4番目の内容とは?
呪われてしまうと噂の4番目の歌詞に注目してみましょう。
さっちゃんがね おべべを置いてった ほんとだよ
だけどちっちゃいから きっともらいにこないだろ
悲しいな さっちゃん
歌詞に出てくる”おべべ”というのは、古い言葉で「着物」のことを指します。
着ていた衣服を置いたまま、さっちゃんは遠くに行ってしまったという意味になりますね。
「きっともらいにこないだろう」という歌詞は、一見すると「小さいから自力で来れない」という意味のように思えます。
しかし、「遠くに行った=死んでしまった」という意味だとどうなるでしょうか。
さっちゃんは死んでしまったから取りに来れないという全く別の意味を表す歌詞になりますね。
4番目の歌詞を聞くと呪われると言われるのは、3番までとは違う雰囲気の歌詞だからです。
5番を歌うと呪いが解除される
4番目の歌詞を聞くと呪われると言われていますが、歌詞の意味を深読みしなければそれほど怖い印象はありません。
しかし、続く5番目の歌詞からは呪いを思わせる不気味な雰囲気が感じ取れます。
さっちゃんはね 線路で足を なくしたよ
だからおまえの足を もらいに行くんだよ
今夜だよ さっちゃん
線路で足をなくしてしまったさっちゃんが、代わりにあなたの足をもらいに行くという内容です。
さっちゃんは電車の事故に遭い、命を落としてしまったのでしょうか。
聴き手に語りかけているかのような、「おまえ」という表現がとても不気味ですよね。
しかし、5番目のこちらの歌詞を聞くことで、4番で受けた呪いが解かれると言われているようです。
なぜ4番を歌うと呪われるのか?
先ほど紹介した4番目と5番目の歌詞は、呪いの歌として有名になりました。
線路で足を失ってしまったさっちゃんが4番目を歌った人の元へやって来て、代わりの足を奪うというのが呪いの内容です。
不気味な5番目の歌詞ではなく、4番を歌うことで呪われるというのは4という数字が不吉な意味を持ち、「死」という意味が込められているからでしょうか?
5番目の歌詞を歌うと呪いが解除される理由については明かされていません。
「さっちゃん」都市伝説の始まりはチェーンメール?
さっちゃんが呪いの歌であるという都市伝説がここまで広まったのは、チェーンメールの存在があったからです。
学生時代にチェーンメールが流行ったという人も多いことでしょう。
チェーンメールは、受け取ったメールを他の人に転送するよう促すメールのこと。
チェーンメールのなかには送ると幸せになるというものもありますが、多くは「3時間以内に10人に送らないと不幸になる」というように恐怖を煽るような内容が書かれてます。
このように誰かが作り上げたさっちゃんのチェーンメールが回りに回って、都市伝説となったようですね。
チェーンメールの内容とは?
さっちゃんのチェーンメールには、どのような効果があるのでしょうか。
3時間以内に5人の人に送ってください。最近、いたずらメールが流行ってますがこのメールは、まじでやばいです。なので強制はしませんがなるべくまわしてください。
二度三度と回ってきた場合は、もう佐知子さんに対しては供養(メールを回せば供養になる)をしたことになるので大丈夫です。明日あなたの足が無事でありますように。
私の足無いのあなたの、ちょうだい ?
文中に登場する佐知子さんというのは、さっちゃんのことを指しているのでしょう。
佐知子さんの供養を目的としたチェーンメールと語られていますが、いたずらメールであることに変わりはありません。
呪いを受けないための対処法とは?
チェーンメールが届いてしまい、呪われたと思って不安に感じる人もいるでしょう。
そんなとき、呪いを受けないための対処法についてもご紹介します。
まず始めに大切なことは、メールを無視することです。
いたずらメールというのはメールの拡散とともに、不安をばら撒くことを目的としています。
作成者の意図に沿って拡散する必要はありませんので、無視しておくことが1番です。
どうしても不安だという方は、さっちゃんの大好物であるバナナを部屋に置いておくことで呪いが回避できると言われています。
「テケテケ」のモデルになっている!
「テケテケ」とは、監督の白石晃士氏が作った映画で、都市伝説としても有名です。
名前の由来は、追いかけて来る時に「テケ……テケ…」という音が聞こえてくるため「テケテケ」呼ばれるようになったとか。
最大の特徴は、腰から上しかなく、両手を使い歩き回ることです。
線路で足を無くし、上半身だけで足を探していることからさっちゃんの噂のモデルになったのではと言われています。
童話「さっちゃん」について
ここからは「サッちゃん」の歌詞について詳しく見ていきましょう。
4番目以降の歌詞を知ってしまうと、3番までの歌詞すら怖く見えてしまうかも知れませんが、本来は可愛らしい歌です。
本来の歌詞の意味のほか、深読みした場合の意味も紹介していきます。
どんな歌詞?
さっちゃんの1番は、さっちゃんに関する簡単な紹介から始まります。
続けて2番目の歌詞では、バナナを半分しか食べられないことが紹介されているようです。
3番目の歌詞では、サッちゃんが遠くに行っちゃうことを説明しており、悲しい雰囲気が感じ取れますね。
一連の流れからすると、小さな女の子のさっちゃんについて「ぼく」が紹介しているように読み取れます。
遠くに行くというのは普通に考えれば引っ越しですが、亡くなってしまうという意味でも通じてしまいます。
1959年に発表された
さっちゃんという童謡は、1959年に発表されました。
東京大手町の産業ホールで行われた、NHKラジオの「うたのおばさん」の10周年記念リサイタルで初めて披露されたようです。
その後、何十年も歌い続けられ、子どもから大人まで幅広い世代の人が知る童謡となったのです。
バナナを半分しか食べられないのはどうして?
さっちゃんの歌詞には、2番に「バナナを半分しか食べられない」というフレーズがありますよね。
大好物のバナナをなぜ半分しか食べられないのでしょうか。
歌詞によると、「小さいから半分しか食べられない」となっています。
単純に、まだ幼いさっちゃんはバナナを全部食べ切ることができないということでしょうか?
しかし、さっちゃんは病気で身体が弱っているためバナナを全部食べられないという見方もできます。
バナナを食べきれないほど衰弱しているとなると、死が近いのではないかと勘繰ってしまいますね。
続く3番で遠くへ行くという歌詞が死を意味していると言われるのは、この2番があるためです。
さっちゃんは実在した!?その正体とは?
さっちゃんは実在する人物であるという噂があります。
実在するという噂は果たして本当なのでしょうか。
モデルとなった人物や事件について調べてみました。
阿川佐和子さんがモデルだった?
さっちゃんにモデルがいることは作曲者の大中恩氏が明らかにしています。
タレントの阿川佐和子さんがモデルではないかと噂されています。
「サッちゃん」が初めて披露された1959年頃、阿川佐和子さんは6歳でした。
年齢的にも幼少期ですし、さっちゃんの本名とも一致するため噂が加速しました。
しかし、阿川佐和子さん自身はこれらの噂についてハッキリと否定しています。
桐谷佐知子さんとの噂も?
さっちゃんのモデルになった人物としてもう1人、桐谷佐知子さんの名前が挙がっています。
北海道に住む女子中学生で、線路での事故をきっかけに命を落としているようです。
その桐谷さんの事故を聞いたクラスメートの男子が、ふざけてさっちゃんの5番目の歌詞を作成したんだとか。
後日、その男子は足がない状態で発見されたと言われていますが、あくまで噂であるため真相はわかっていません。
幼稚園時代の友達
さっちゃんのモデルとなった人物に関して多くの噂が存在していますが、作詞家である阪田寛夫氏の幼馴染の女の子がモデルであることが判明しました。
坂田寛夫氏の幼少時代、同じ幼稚園に通う女の子が転園してしまったそうです。
そのときの甘酸っぱい思い出を歌詞にして童謡として世に送り出したのですね。
つまり、さっちゃんが遠くに行ってしまったのは引っ越しが理由ということです。
阪田寛夫氏が卒園した南大阪幼稚園では、2005年に阪田氏が亡くなったことを受け2006年に「サッちゃん」の詩碑が建てられています。
歌詞の内容は菊田幸子さん
モデルについては、配当人物に配慮し長らく公表せずにいたという阪田寛夫氏。
後に「サッちゃん」のモデルである幼馴染の菊田幸子さんと再会し、御本人に打ち明けたとのこと。
その際に、「何も言わず歌にしてごめんなさい」と謝罪したようです。
踏切事故で亡くなった女の子
4番目以降の歌詞については、踏切事故で亡くなった女の子がモデルだと言われています。
つまり1~3番目のサッちゃんと4番目以降のさっちゃんのモデルは別の人物でなのです。
4番以降は阪田寛夫氏が手掛けたものではなく、どこの誰が作ったのか正確にはわかりません。
都市伝説として歌詞が追加される段階で、まったく別の人物をモデルにしていても何も不思議ではありません。
ちなみに、坂田寛夫氏は「サッちゃん」の歌詞について「一字一句も直すところがない」と自負しており、外国語詞やCMソングなどの改変依頼はすべて断っていたそうです。
生前、4番以降の歌詞の存在を知っていたかどうかは不明です。
もし知っていたら複雑な思いを抱くことには間違いないでしょう。
踏切事故で亡くなった女の子をモデルに歌詞が追加された
「さっちゃん」の歌詞に関する噂を紹介しました。
本来の「サッちゃん」は1~3番のみで、4番目以降の歌詞は別の人物によって追加された都市伝説であることがわかりました。
そのため人によって知っている歌詞の順番が違ったり「99番で終わり」説や「100番まである」説など、差異が生まれるようです。
呪いの都市伝説として話題の「サッちゃん」ですが、本来のサッちゃんは呪いなどない可愛らしい曲ですので安心してくださいね。