みなさんは「お前もう船降りろ」というフレーズを目にしたことがあるでしょうか。
Xや掲示板などのSNSで見かけることの多い「お前もう船降りろ」ですが、元ネタはあの有名な国民的アニメに登場するセリフと言われています。
しかし一方で、実は作品内でこのセリフは登場しておらず、原作作品とは全く関係がないという噂もあるようです。
今回はそんな「お前もう船降りろ」の元ネタや使い方、原作何話に登場するかなどを中心に解説していこうと思います。
ぜひ最後までご覧ください！
「お前もう船降りろ」元ネタは？
「お前もう船降りろ」は、ネット上の掲示板サイト『5ちゃんねる』上で使われたことがきっかけに有名となったネットスラングです。
これの元ネタとなったのは、『週刊少年ジャンプ』で20年以上連載を続けている尾田栄一郎先生の代表作『ONE PIECE』の主人公モンキー・D・ルフィのセリフと言われています。
ですが、原作ファンであっても、ルフィがいったい何話で「お前もう船降りろ」と発言したのかを知っている方はおそらくいらっしゃらないと思います。
それも当然で、実は「お前もう船降りろ」は『ONE PIECE』の作品内には登場しておらず、「5ちゃんねる」で立てられた創作ストーリー上で使用されただけの原作とは全く関係のない架空のセリフなのです。
「お前もう船降りろ」ルフィは言ってない？
お前もう船降りろってセリフじゃなかったんか… pic.twitter.com/avperKD2PW
— あるぎゅろす (@kaledfoulch) June 26, 2022
「お前もう船降りろ」は、『ONE PIECE』の主人公ルフィが仲間のウソップに対してそう告げているかのようなシーンのコマが有名です。
しかし、先ほども述べたように「お前もう船降りろ」は原作漫画やアニメとは一切関係のない創作セリフであり、ルフィが実際にこのセリフを発言していたという事実はありません。
「お前もう船降りろ」とルフィが発言しているコマは、本来「おれ達もう仲間だろ」というセリフが差し込まれており、意味合い的にもほぼ真逆の状況の場面となっています。
一方で、ルフィは「お前もう船降りろ」とは言っていませんが、単行本35巻第331話『大喧嘩』にて、ルフィ達の船であったメリー号を巡ってウソップと対立をした際に「そんなにおれのやり方が気に入らねぇんなら今すぐこの船から…！」という発言をしています。
言い終わる前に仲間のサンジに蹴り飛ばされてしまったため最後まで発言はしていませんが、ルフィがウソップに「お前もう船降りろ」に近しい言葉を言いかけていたことは事実なようです。
「お前もう船降りろ」の使い方は？
「お前もう船降りろ」は、チームメイトや仲間に対して『今すぐこの船（チーム）から出て行け』と言うような意味として使われる言葉です。
使用例としては、仲間内で誰かがミスをした際に少し茶化す言葉として使われたり、プロ野球やサッカーなどのスポーツでその日調子が悪くミスを繰り返している選手に対してファンがヤジとして使われることなどがあります。
また、XなどのSNSでは、ゲームのキャラクターが弱体化されたときやガチャで狙いのキャラクターがでなかったときなどに使用されているのをよく見かけます。
いずれにせよ、本気で「やめて出て行け」と思って使用されているケースは少なく、ネタと分かることが前提で冗談として使われることが多いようです。
その他のルフィが言ってないセリフは？
「お前もう船降りろ」の他にも、ルフィの言葉と思われがちですが実際には発言していないというセリフはいくつかあります。
今回はそんな、ルフィが言ってそうで実は言っていないセリフを紹介しようと思います。
「何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ」
ルフィが言ってそうで実は言っていない言葉として、「何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ」というセリフが有名です。
迫真の表情のルフィに「ゴォオ！！！ドン！！」という効果音が付いたとても迫力のある名シーンのように見えますが、本来このシーンのルフィは「やめろっつってんだろうがァ！！！！」と発言しています。
実は「何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ」のコマは合成画像であり、このセリフは同じく『週刊少年ジャンプ』で連載されていた『ツギハギ漂流作家』という漫画から流用したものなのです。
このような合成画像が出回ってしまった理由ですが『ツギハギ漂流作家』内のこのセリフのシーンとルフィの本来のセリフのシーンの構図が酷似しているからだと言われています。
また、ルフィが言いそうなイメージのあるセリフであったこともあり、原作をしっかりと読んだことのない人が信じてしまったためにこの合成画像は広まっていったようです。
「何やってんだお前！」
「何やってんだお前！」も、たびたびSNSでネタとして扱われているルフィのセリフとして有名です。
このセリフは「お前もう船降りろ」と同様にウソップを巻き込んだネタとなっており、相手にやられて意識が朦朧としているウソップに対してルフィが「ウソップー!!何やってんだお前ェ!!」と怒るといった流れになっています。
仲間想いのルフィが敵にやられて瀕死状態の仲間に対して「何やってんだお前！」と発言するはずがないため、当然ルフィがウソップにこのセリフを言った事実はありません。
ただし、このセリフは「お前もう船降りろ」や「何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ」などとは違って対象がウソップではないだけで実際にルフィが発言したセリフではあります。
このセリフが登場したのは、2019年に上映された劇場版ONE PIECEの第14作目『ONE PIECE STAMPEDE』です。
本来この「何やってんだお前！」は、STAMPEDE内の敵であるダグラス・バレットにウソップがやられている姿を見て、バレットに対してルフィが放ったセリフとなっています。
しかし、このシーンは見方によってはルフィがウソップに対して「何やってんだお前！」と言っているようにも見えてしまうためネタ扱いされてしまったようです。
「お前もう船降りろ」元ネタはなに？ルフィは本当は言ってないセリフ？のまとめ
今回はプロ野球やサッカーといった団体競技の感想ツイートなどにたびたび使用される「お前もう船降りろ」について解説しました。
このセリフはONE PIECEの主人公ルフィの発言が元ネタと思われがちですが、実際にはルフィが発言したという事実はなく、掲示板サイトで作られた創作セリフであったようです。
今回紹介したセリフ以外にも、ネットスラングとして使用されがちな漫画のキャラクターの「実は発言していない」セリフはたくさんあります。
興味のある方は、一度調べてみてもおもしろいかもしれませんね。