1996年12月25日の深夜に起きた6歳の少女ジョンベネ・ラムジー殺害事件。
テレビで扱われることも多く、一度は目にした方も多いでしょう。
事件発生から28年が経過しても未解決事件として扱われていましたが、最近になって真犯人が自供し、逮捕されたとの情報が浮上しました。
一時は兄が犯人として疑われていましたが、果たして真犯人は誰だったのでしょうか?
事件のその後や兄の現在について調査しました。
ジョンベネ事件の犯人は捕まった?自首する者が現れた?!
迷宮入りしていたジョンベネ殺害事件の犯人だと名乗る男が逮捕されました。
これで事件は解決したのでしょうか?
事件の犯人だと噂された兄は無実確定となったのでしょうか。
ジョンベネ事件の概要、少女の死因とは?
まずは事件の概要から説明します。
ジョンベネ殺害事件とは、1996年12月26日にアメリカ・コロラド州ボルダーでジョンベネ・パトリシア・ラムジーが自宅の地下室で遺体となって発見された事件です。
ジョンベネという変わった名前は、父親のファーストネーム・ジョンと、ミドルネーム・ベネットから名づけられました。
ジョンベネは多数の美少女コンテストで多数の優勝経験のある美少女という事もあり、世間から多くの関心を集めました。
事件前日の12月25日、ジョンベネは家族と共に友人宅のクリスマスパーティーに参加し、何事もなく帰宅しました。
翌26日の早朝、ジョンベネの母親・パッツィが自宅の階段で身代金要求の脅迫文を発見し、娘が誘拐されたことに気付きます。
脅迫文の文章は手書きで非常に長く、感嘆符(!マーク)が使われたり、文末にイニシャルらしきアルファベットが書かれるなど、身代金要求の文書としては極めて異例であるとFBI捜査官は語っています。
脅迫文を要約して日本語訳したものがこちらです。
傾注せよ!
お前の娘は我々の手の内にある。
彼女に1997年を迎えさせたくば、118000ドルを用意すること。
身代金受け渡しは疲れるだろうから、金を用意したら休むことを勧める。
指示から逸脱した場合、娘は即座に処刑する。
全てはお前次第だ、ジョン!勝利を!
S.B.T.C
「疲れるだろうから休むことを勧める」「勝利を!」など、脅迫文としては違和感のある表現や文章が散見されます。
脅迫文には警察に通報しないよう書かれていましたが、両親は脅迫文の発見から30分も経たないうちに警察に通報し、捜査が開始されました。
警察は犯人から電話で次の指示が来ると予想していましたが、この脅迫文以降、犯人からの連絡が来ることはありませんでした。
家の中に不審な形跡がないか調べるよう、刑事に言われた父親のジョンは、ラムジー家の自宅の地下室でジョンベネの遺体を発見。
検死の結果、ジョンベネの死因は「頸部絞扼による窒息、関連要因として頭蓋大脳の外傷」とされました。
首と右手首にナイロンコードが巻かれており、これで首を絞められて窒息したことが死因と見られています。
その他に頭蓋骨骨折、脳挫傷、くも膜下出血などの外傷と性的暴行の跡が確認されました。
罪を認めた?自首する者が現れた?!
2019年1月11日、児童ポルノ画像所持等で逮捕・収監されていたゲイリー・オリヴァが、友人にあてた手紙の中でジョンベネ殺害を自供したと報じられました。
オリヴァは初期の容疑者リストには入っていなかったものの、その後の2002年には容疑者に挙がっていることが判明しています。
彼は2016年6月に、児童の性的搾取および児童ポルノ画像所持で逮捕されています。
オリヴァから自供の手紙を受け取った友人は、ジョンベネ殺害事件が発覚した当日の12月26日深夜に、オリヴァから電話で「小さな女の子を傷つけてしまった」と告げられました。
このことから、ジョンベネ殺害事件の犯人はオリヴァではないかと疑い、詳しい話を聞き出すために手紙のやり取りを続けていたそうです。
しかし、オリヴァから「彼女を殺してしまった」という証言以上のものは聞き出せませんでした。
オリヴァから「事件ではなく事故」発言
オリヴァは友人への手紙で、ジョンベネ事件についてこのように書いています。
今まで会った誰よりも、ジョンベネを愛していた。
なのに彼女をうっかり放してしまったために、頭蓋骨がぱかっと割れてしまった。
俺は彼女が息を引き取るのを見届けた。
あれは事故だったんだ、信じてくれ。
ジョンベネ殺害事件への関与は認めていますが、故意に殺害したのではなく、事故で死んでしまったと述べています。
犯人はオリヴァではない?!
警察によるオリヴァの供述調書からは、長年のジョンベネへの執着が浮かび上がり、さらに彼の携帯電話からは300枚以上のジョンベネの写真が見つかりました。
しかし、現場に残されたDNAとオリヴァのDNAが一致しなかったため、警察はオリヴァを容疑者から除外しています。
しかし、警察は後に、初動捜査の不手際で現場保存がきちんと行われていなかったことを認めており、DNA鑑定にも疑問の声が上がっています。
事件発覚直後から、現場となった自宅には友人、被害者支援団体、牧師など多数の人間が出入りし、家の中を片付けたりしたために、多くの証拠が失われたとも言われています。
ジョンベネの死に関与した男性と接触?!
2024年4月に「ワールド極限ミステリー」にて放送されたジョンベネ殺害事件。
番組ではジョンベネの死に関与したとほのめかす男性との接触や、電話で自白してきた男性、複数犯説について語られました。
しかしながら確証のある証言や内容には至らなかったようです。
犯人はまさかの家族?性的虐待疑惑も?!
実は事件当初から、警察は両親が犯人ではないかと疑いを向けていました。
世間でも両親が犯人、またはジョンベネの兄が犯行に関与しているという意見が根強くあります。
家族が犯人だとされる根拠を紹介します。
なぜ?犯人はラムジー夫婦だった?!
警察は事件当初から両親が犯人ではないかと疑っていました。
身代金の脅迫文に使われた紙とペンはラムジー家にあったものが使われており、このようなことは普通の誘拐事件ではまずあり得ないとして、この脅迫文は偽物と認識していました。
身代金の118000ドルという金額も、父親の去年のボーナスとほぼ同じ額で、両親、または父親の会社の人間しか知りえない情報であることも関係しています。
脅迫文を書いたのは母親との疑いから筆跡鑑定も行われましたが、母親によるものと断定はできないとの結果が出ました。
また、ジョンベネの遺体が見つかった地下室の窓は以前から割れており、犯人はここから侵入して誘拐しようとしたものの、そのまま殺してしまったとも考えられました。
しかし、窓付近にはクモの巣があり、外部から侵入したのならクモの巣が残っているはずがないという見解を示しました。
父親はジョンベネに日常的性的虐待疑惑も?!
世間でも両親に疑いの目が向けられる中、母親は以前からおねしょをするジョンベネをヒステリックに責めていたという説が浮上しました。
ジョンベネの遺体に性的暴行の跡があったことから、父親が日常的に性的虐待をしていたとの憶測も飛び交いました。
これらを裏付ける証拠などは存在せず、ジョンベネの兄・バークは後に「私たちはお仕置きもされなかった。殺すどころか、殴られるようなことすらなかった」と述べています。
ジョンベネ殺害事件の【真犯人】は兄?!
ジョンベネ殺害事件の真犯人は兄であり、その隠蔽に両親が関与しているという噂は以前からささやかれています。
- 外部からの侵入者の痕跡がない
- 遺体に男性の体液が残されていた
といったことから、ジョンベネの兄が性的虐待を行った後に殺してしまい、両親がそのことを隠すために誘拐事件をでっち上げた、という見方です。
疑われた理由はパイナップル?
事件当日の自宅の写真には、皿に盛られたパイナップルが写っていましたが、両親はパイナップルを出した覚えはないと証言しています。
パイナップルの皿からは兄の指紋が検出されています。
また、ジョンベネの遺体からはパイナップルが検出されています。
一説では夜中に兄がパイナップルを食べようとしたところ、ジョンベネに横取りされて怒りのあまり殺してしまったという説が上がりました。
ジョンベネの兄は疎外感があった?
ジョンベネの母親は、娘を美少女コンテストで優勝させることに熱意を上げる「ステージママ」として有名でした。
コンテストのために娘を磨きあげ、各地のコンテストに出場する際は付き添っていました。
それに比べると、ジョンベネの兄はあまり構われることがなく、家の中で疎外感を感じていたとも言われています。
犯人とDNAが一致せず!
ジョンベネの兄は、判明しているだけで3回以上の事情聴取を受け、DNAの採取も行われました。
しかし、現場に残されたDNAとは一致しませんでした。
兄は「自分も両親も犯人ではない」と一貫して主張しています。
ジョンベネの死因はドラッグパーティー!?
事件の日である12月25日、ラムジー家の近隣ではドラッグパーティーが開催されていました。
このドラッグパーティーの参加者がジョンベネ殺害に関わっていると見られています。
なぜパーティの参加者が疑われているかというと、ジョンベネの胃袋から見つかったものが原因のようです。
ジョンベネの胃袋からは新鮮なパイナップルが見つかっています。
しかし、ラムジー家が参加したクリスマスパーティーではパイナップルを使ったケーキなどは振る舞われていません。
反対にドラッグパーティーの参加者によると、会場にはウェディング会場並みのビュッフェが置かれていたとか。
その為、ドラッグパーティーの参加者が会場のパイナップルケーキを持ち出し、ジョンベネはそれを食べたと見られているのです。
霊能者に透視(霊視)を依頼!新たな容疑者が?
両親は真犯人を見つけるために10万ドルの懸賞金をかけますが、有力な情報は集まりませんでした。
そこで霊能者に真犯人の透視を依頼することに。
透視で見えた犯人の顔のスケッチを元に捜査が行われたところ、2006年にジョン・マーク・カーという人物が逮捕されました。
カーは「ジョンベネを薬漬けにして性的暴行を加え、誤って殺してしまった」と主張します。
カーの自白では犯人しか知らないような証言はなく、現場のDNAとも一致せず、当局は彼を犯人だと断定できる証拠を見つけられず、釈放となりました。
ジョンベネの兄の現在とは?
2022年で35歳になる兄・バークは現在、IT関連の仕事に就いているようです。
何年か前に恋人もでき、普通の暮らしを送っているようです。
アメリカのテレビ番組に出演した際には、「犯人は妹が出ていた美少女コンテストを観ていた異常者だろう」と意見を述べています。
ジョンベネの母死亡で父は再婚?
ジョンベネの母・パッツィは2006年に卵巣がんで死亡し、娘・ジョンベネの隣に埋葬されました。
2008年、ボルダー地方検事局はDNAの新技術による捜査の結果、ラムジー家の人間の無実を公表しましたが、その報せを聞くことなく他界しました。
父親・ジョンは、2011年7月に再婚したことが分かっています。
現在は事件のあったコロラド州を離れ、自宅のあるミシガン州とネバダ州を行ったり来たりしながら、私立探偵を雇って真犯人を追っているようです。
【真犯人】は兄じゃない!第三者の〇〇?!
以前よりネット上ではジョンベネ殺害事件の真犯人について、実に多くの意見が飛び交っています。
事件への注目度が高いことや、疑わしい人物が多くいるあまりに今も様々なうわさが絶えません。
その中から一説を紹介します。
真犯人は〇〇!最初から家の中にいた?!
真犯人はジョンベネの母親の愛人だという説です。
母親には愛人がいて、事件前夜はクリスマスということもあり、密会するために家の中に潜んでいた…。
そして、あろうことかジョンベネに手を出し、殺してしまいます。
脅迫文の筆跡が母親と似ていた理由は?
事態を知った母親は、愛人と共謀して、誘拐事件に見せかけようと脅迫文を捏造します。
母親が書いたのだから、筆跡が似ていて当然です。
長男の事情聴取を母親が断り続けた理由は?
実は、兄のバークは母親が不倫していたことを知っていました。
長男が事情聴取されると、警察に愛人のことを言ってしまい、そこから計画が破綻するかもしれない…。
そう考えた母親は事情聴取を拒否しました。
…と書いてきましたが、可能性はゼロではないものの、この見解には苦しい点がいくつもあります。
母親が不倫している証拠や、そう思わせるようなものは見つかりませんでした。
徹底的に隠していた可能性もありますが、こういった事件で疑われていた人物に浮上する、ある意味定番の噂と言えます。
脅迫文は母親が書いたとする説も有力ではありますが、もし愛人と共謀したのなら、筆跡鑑定でバレにくい愛人が書くのが自然ではないでしょうか。
また、長男は事情聴取を3回以上受けています。
事件直後は長男を含めたラムジー夫妻は警察の事情聴取を断り、「捜査に協力的でない」とコメントする捜査官もいましたが、娘が殺されて親である自分たちが疑われていると知ったら、警察に対してネガティブな感情を抱くのは当然とも考えられます。
しかし、事情聴取を断っていながら、テレビのインタビューには応じているなど、たしかに不審な点もあります。
ジョンベネは整形をしていた?整形前の写真は?
ジョンベネは美少女コンテストの常連で、とても幼い子供とは思えない美貌の持ち主でした。
美人な有名人には必ずと言っていいほどついてまわるのが、整形の噂です。
ジョンベネも整形したのでは?という噂が出ましたが、そもそも子供に整形外科手術を行うことは、基本的にできません。
理由は、成長によって骨や各パーツが変わることと、麻酔注射の痛みを我慢できなければ手術を行えないためです。
ジョンベネは享年6歳でした。
ホクロの除去なら5~6歳から可能だそうですが、本格的な手術はリスクが大きすぎて、富豪であるラムジー夫妻がそこまでのリスクを負って娘に整形を受けさせるのは考えにくいです。
なので、「整形前の写真」もありませんでした。
ジョンベネ殺害事件の真犯人は今も不明!兄はその後結婚し普通の生活を送っている
ジョンベネの死因は窒息死で、透視で捕まった真犯人とされる人物も犯人ではありませんでした。
ジョンベネの母親は既に死亡していますが、父親と兄は普通の暮らしを送っているようです。
この事件は今も未解決事件のままです。
ボルダー警察は捜査を継続しており、情報提供を呼び掛けています。
ジョンベネちゃんのご冥福と、一日も早い事件の解決を望みます。