【実話あり】単眼症の正体とは?2歳まで生きた症例が日本である?!

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脳の奇形症例、「単眼症」をご存じでしょうか。

当たり前のように2つ存在する「目」が1つしかない、極めて珍しい先天性の奇形です。

ほとんどが生まれることすら叶わない単眼症ですが、なんと日本では2歳まで生きた症例があります。

単眼症の原因と実態について紐解いていきましょう。

単眼症の正体とは?原因や寿命を解説!

単眼症は、目は白目がほぼない状態で、まばたきもせず、まぶたやまつ毛が無いことが特徴の1つです。

また必ず鼻の奇形を伴い、鼻自体が無いか、小さな突起があるだけのことが大多数です。

嗅神経は欠如し、視神経も1本で、様相だけではなく、器官としての顔面の機能すらままならないといっても過言ではありません。

Cyclopia.jpg

引用元:Wikipedia

では、現代の医学ではどこまで単眼症について解明されているのでしょうか。

単眼症とは?

単眼症(たんがんしょう)とは、顔の中央に眼が1つしかない奇形症例で、全前脳胞症(ぜんぜんのうほうしょう)の最重度の症例の1つともされています。

人間の脳は、胎児期に前脳部分が2つに分かれることで左右の大脳半球が形成されます。

しかし、左右に分かれるのを途中で停止してしまうことで脳の働きが止まってしまい、場合によっては脳だけではなく顔も左右に分かれず発症するようです。

単眼症のほか、象鼻と呼ばれる額から垂れ下がった鼻も症状の1つです。

医学界でも、長く生きることは大変難しいと明言されており、別の名前で呼ばれることもあります。

  • サイクロピア:英名
  • キクロプス症:ギリシア神話の巨人キクロプスが一つ眼であったという話に由来

そもそも、どういったことが原因で単眼症は発症するのでしょうか。

単眼症の原因は遺伝子的なもの?

単眼症は、本来2本であるはずの13番染色体が3本ある、「13トリソミー症候群」という染色体異常と遺伝子変異による遺伝的異常が原因と考えられています。

そのほか、化学的な原因や環境的要因もあるのではという意見もあります。

  • ビタミンAの摂取不足
  • 脳の発達を阻害する物質が摂取された場合:薬物、アルコールなど
  • 強い精神的ストレス:DV(ドメスティックバイオレンス ) など
  • 糖尿病
  • 放射能の被ばく

しかし、これらに医学的な根拠はなく、発症原因にはまだまだ多くの謎が残されていると言えるでしょう。

単眼症の寿命が短すぎる?

単眼症は、妊娠しても早期に自然流産するか死産することが多く、出生自体が難しいとされています。

脳や気道が異常であること、また出生しても知能障害や運動障害を持ち、てんかんや痙攣発作なども起きやすく、すぐに死んでしまう可能性が高いのです。

特に、鼻の形成が半端なため自発呼吸が出来ず死に至ることが多いようですね。

単眼症は人間よりもヤギに多い?!

単眼症は、人間だけではなく動物にも見られます。

これまで世界中でヤギやヒツジ、サメ、イヌ、ネコなど哺乳類に多く発見されています

特にヤギでの発症例が多く、ヤギは単眼症でもしばらく生存できる個体が存在するため、度々話題となります。

単眼症は他の奇形を伴うことが多いため、動画のヤギも、まつ毛やまぶたがなく、耳も1つしかなく、鼻やあごの形成も不完全なのが見て取れますね。

単眼症の日本での症例はある!実話で症例を解説!

単眼症は、流産や死産のリスクが大変高い症例です。

胎児は子宮内で胎盤を通して酸素や栄養を取り入れますが、単眼症は脳の発達が正常に行われず、自身で呼吸することも難しいためです。

しかし、日本では2歳まで歳を重ねた実例がありますので、紹介します。

単眼症で2歳までの生存例が日本である?!

2015年ごろに日本で生まれた単眼症の男の子が、2歳まで生きた例には、どのような背景があったのでしょうか。

妊娠4か月の胎児超音波検査により、全前脳胞症とともに単眼症であることが判明し・死産になる可能性が高いうえに長くは生きられないという判断から中絶を勧められた夫婦。

医療関係者のみならず義理の家族から心ない言葉をぶつけられるも、出産を選択します。

「人の手によって命の期限は決めない!」

医師の 眼差まなざ しは冷たく、まるで赤ちゃんには生きる価値がないと言っているようでした。
夫婦はクリスチャンでした。母親は、「人の手によって命の期限を決めることはありません」とはっきりと医師に伝えました。

引用元:yomiDr.

そして胎児は妊娠39週まで育ち、無事出産することが出来たのです。

赤ちゃんは賛(たすく)君と名付けられ、全盲かつ先天性染色体異常、難治性のてんかんも合併していましたが、8ヶ月で自宅へ帰ることも叶いました。

その後、2歳のときに「胃ろう」の手術を行っています。

現在の消息は不明ですが、2歳まで生きていたことは確実で、単眼症において奇跡的な一例と言えるでしょう。

単眼症の大人はこの世に存在する?

単眼症で出生し大人まで生きた例は、残念ながら存在しません

他の重篤な障害と合併することが多く、長くは生きられないのが実情です。

単眼症自体がまれな症例で治療法も確立していないため、合併症を引き起こした場合、治療自体が困難というのもあるでしょう。

【実話】単眼症の赤ちゃんを妊娠した夫婦

現在は超音波などによる出生前診断によって事前に知ることができるため、単眼症であることが判明した段階で、中絶を選ぶ夫婦が多いのも事実です。

しかし、前述した夫婦のように、実際に出産を選択したケースもゼロではありません

単眼症が珍しいため、医科大学において症例として記録されることも多いようです。

  • 双子を妊娠するも死産
    ⇒両名とも男児で体重550グラム前後、身長30センチ前後・大脳が分かれておらず、耳の欠損等が見られた
  • 経済的・身体的理由で中絶を選択
    ⇒男児で体重110グラム、身長15センチ前後・単眼の顔面奇形あり
  • 妊娠9ヶ月で陣痛を訴え入院し出産
    ⇒男児で体重1,700グラム、身長45センチ・鼻欠損が見られる典型的な単眼児を出産、娩出後30分で死亡

参考文献:和歌山県立医科大学産婦人科学教室 単眼症の3例 

三つ目がある人間は実在する?

三つ目と聞くと、日本では「幽☆遊☆白書」に登場する「邪気眼」を連想する方も多いでしょう。

実は、インドやドイツで「三つ目」の発症例があるのです。

写真を見たところ眼球は濁っており、恐らく目としての機能は果たしていないのではないでしょうか。

実は、インドでは「一つ目」の赤ちゃんが生まれてから2年後の2008年に「三つ目」の赤ちゃんも生まれていた。

医学的に証明されたリアル3つ目の赤ちゃん!

3-eyed infant

リアル3つ目では、左右どちらかの顔側面に3番目の瞳が出現するようだ。

引用元:なんでも評点

2021年にドイツで生まれた女の子の三つ目の赤ちゃんについても動画は存在するものの、フェイクだとする声もあり、真偽のほどは不明です。

生きてる奇形児のその後は?生きてる?

単眼症だけでなく、稀有な病気にかかってしまった人たちは世界中にたくさんいます。

ただ悲観するだけではなく、ドキュメンタリーなどメディアに積極的に出演し、病気や障害への理解を求める人もいます。

様々な困難を抱えながらも懸命に生きる家族の姿として、カナダで起きた難病の例を見ていきましょう。

人形のように小さい少女

カナダに「小頭性原発性小人症」という、100万人に1人が発症する難病にかかったケナディという少女がいます。

体重約5キロ・身長はわずか70センチで、「人形のように小さい少女」と呼ばれました。

小頭性原発性小人症(しょうとうせいげんぱつせいしょうじんしょう)とは
通称”MPD”と呼ばれ、成長が著しく遅く、頭や体が極端に小さくなる先天性の病気で、現在の医学では治療法は確立されていません。
脳や心臓の血管に障がいが現れることで血管が薄く細くなってしまうため、破裂すると脳動脈瘤や脳梗塞を発症しやすいという深刻さを抱えています。

引用元:テレ東プラス

ケナディは「持って1週間の命」とされましたが、奇跡的に生き延び、大脳が発達しない難病やてんかん発作など合併症を引き起こしながらも、すくすくと育ちます。

【その後】身長が伸びた?!趣味はYouTube?

2020年時点の情報で、ケナディは17歳の誕生日を迎えました

身長も104センチに伸び、体重も24キロに増え、幼稚園児と同じくらいまで成長しています。

最近の趣味はYouTubeで、映画を観に行ったり、ランチを楽しく過ごしたりと同年代の女の子と変わらない高校生活を送っているようです。

夢はYouTuberになることだそうで、「貧しい人を助けるためにお金を稼ぐの。そしてたくさん稼いで家計を助けるの」と話してくれました。

引用元:テレ東プラス

余命宣告?長くは生きられないと診断された?!

とはいえ、「小頭性原発性小人症」は20歳までに患者の多くが命を落とす難病です。

月に1度の定期検査でも、病気が進行していることが判明しており、担当医からも「長くは生きられない」と言われていますが、今の医学ではどうにもならないようです。

現実を受け止めながらも前向きに生きるケナディと家族の姿から、命の尊さを感じさせますね。

単眼症とは目が1つしかない先天性の奇形!治療法はなく、長くは生きられない

単眼症のように、現代の医学でも治すことが叶わない難病や奇病が多く存在します。

しかしどんな姿であれ、尊い人間の命には変わりありません。

今後原因の解明とともに、予防策や治療法が確立することを願いましょう。