【韓国史上最悪】ナヨン事件の概要と凶悪犯”チョ・ドゥスン”の現在がヤバい!?その後も調査

ナヨン事件未分類

チョ・ドゥスンは68歳で刑期を終え、12月12日午前6時45分頃にソウル九老区南部刑務所を出て、本人の希望で被害者宅から500mの距離にある京畿道安山市の自宅に帰宅しました。

さらにドゥスンの自宅がある地域は住宅街であるため、小学校の他に保育施設が5カ所存在します。

そのため、再犯の可能性がある児童性犯罪者が近くに住んでいる状態に、今すぐでも引っ越したい、安心して眠れないとの声が集まりました。

被害者家族はインタビューで今すぐにでも遠くに引っ越して安心したい。でも引っ越すための費用がなくて耐えるしかない」と答えています。

なぜ加害者は罪を許され、被害者は犯人を恐れて慣れ親しんだ土地から出ていかなければならないのか。

これを受けて、チョ・ドゥスンの出所に反対する請願に19万人もの人が同意したと言います。

移動中の車が攻撃を受ける

出所当日、刑務所前には気温が氷点下だったにも拘らず、早朝から保守団体の会員とYouTuberなどが合わせて100人余りが結集し、「犯罪者の人権をなぜ保護するのか」「チョ・ドゥスン死刑、去勢」などと叫び、出所反対デモを起こしました。

通常出所者は徒歩で出所しますが、先立って一部の市民・YouTuberたちのチョ・ドゥスンに対する懲らしめ予告が続いたため、徒歩ではなく官用車に乗って移動することになりました。

これに激怒した一部の市民たちは官用車に向かって生卵ではなく茹で卵を投げたり、車に飛び乗る男性もいました。

有名格闘技選手は車に向かって足蹴りしながら飛びかかり警察と揉み合いになるということがありました。

自宅に到着する頃の官用車は、フロントガラスは割られ後部座席のドアもへこんでいました。

帽子とマスクをつけたチョ・ドゥスンが車から降りてくると、住民らは

チョ・ドゥスンを死刑にしろ!

安山市から、チョ・ドゥスンを追い出せ!

チョ・ドゥスンを去勢しろ!

と大声とともに罵倒を浴びせましたが、ドゥスンは反応せず家の中に早足で入っていきました。

チョ・ドゥスンは事件への反省なし?

チョ・ドゥスンの自宅には連日警察や取材陣などが殺到しました。

チョ・ドゥスンの保護観察官は取材陣のインタビューに対し、チョ・ドゥスン本人が刑務所から保護観察所に移動する車の中で「絶対にしてはいけない過ちを犯した。 これからは反省して生きて行く。」と言っていたと答えました。

また「今日、これほど多くの人が集まるとは思わなかった。雰囲気もこれ程までとは思わなかった。」とも話していたと言います。

また、取材陣が本人に直接「反省していますか?」と質問したところ、チョ・ドゥスンは何も答えず、保護観察所に入ったようです。

しかし保護観察所に入る際、右手の指でV字を描いたような姿を写真に撮られ、ネットユーザーの間では「反省していないのではないか」と議論が沸き起こりました。

安山市の警察に500件以上の苦情が…

被害者家庭は生活保護を受給していました。

また被害者児童の将来のために保険に加入して毎月2万5千ウォンずつ保険料を納付していたこともわかっています。

被害者の両親は事件以後児童の治療に専念するために仕事を辞め、安山市から支援金を受けて治療費と交通費を負担していました。

保険会社も事件の内容と深刻な状態を考慮して4000万ウォンの保険金を支給していましたが、安山市は突如、市で受けた緊急治療支援費600万ウォンの全額返却を要求しました。

万一返却に応じない場合は、住宅保証金を差し押さえると安山市長名義の公文書を2009年6月に交付されています。

また原則的に300万ウォン以上の通帳残高があれば支援対象から除外されるとして、生活保護対象者恩恵も中断すると通知しました。

両親は「娘の身体中一部機能が永久喪失され、また数年間は心理治療を受けなければならない」と申し入れましたが受け入れられることはありませんでした。

この情報が報道された後、安山市のホームページに多くのネット民らからの批判が殺到しました。

これに対し安山市関係者は、支援金の回収方針を撤回し基礎生活給付金も再び支給することを発表することで、安山市に対する批判炎上の消火を試みました。

2021年にチョ・ドゥスンは暴行被害を受ける

チョ・ドゥスンの自宅に20代の男性が警察署員を名乗って侵入し、頭を鈍器で殴るという事件が発生しました。

犯行に及んだ男性はドゥスンの妻から通報を受け駆けつけた警察官によって逮捕されました。

チョ・ドゥスン本人は病院に搬送されましたが、軽傷で命に別状はありませんでした。

男性は昨年2月にも襲撃する目的でドゥスンの自宅を訪れ、住居侵入の疑いで立件されていました。

当時の取り調べでは「生きる意味がない。チョ・ドゥスンに報復すれば人生に価値を見出せる」と供述していたようです。

今回の事件に対し、韓国のネットユーザーからは「彼は英雄だ。賞を与えるべき」「彼をすぐに釈放してあげて」と肯定的な反応が寄せられていました。

その一方で、「私的制裁は法治主義の根幹を揺るがす行為」「どんな理由があれ暴力は正当化できない」など否定的な声も一部見られました。

  • 「そもそも凶悪犯を出所させたことが間違い」
  • 「米国で児童性的暴行犯は刑務所の中で生涯を終える」
  • 「警察がチョ・ドゥスンを守るのと同じくらい必死に一般人を守ってくれたら、事前に防げた犯罪がたくさんあったはずだ」
  • 「韓国はおかしい。性犯罪者は手厚い保護を受けられるのに、ストーカー被害者は数年かけて警察に保護要請しても結局は殺されてしまう」

など、警察や裁判所の対応に不満を示す声も数多く上がっているのが現状です。

被害者のナヨンちゃんは現在21歳に

心身共に深い傷を負った被害者児童ナヨンさんも、今年21歳となりました。

事件後、心療カウンセリングや人工肛門手術を受け、排泄のための袋を1年以上つけて生活しなくてはなりませんでした。

その後、度重なる手術の結果一般の70%程度まで肛門機能が回復し、さらに子宮と卵巣の機能も取り戻して、自然妊娠も可能になったといいます。

手術費用は全て病院側が負担しました。

また、チョ・ドゥスン釈放の1ヶ月前に被害者家族の引っ越し費用のための募金で3億700万ウォンが集まりました。

そして大学生になったナヨンさんは、これまで社会から自分が受けた恩を返すために医者を目指しているようです。

事件を乗り越えて前向きに生きる彼女には誰よりも幸せに生きて欲しいですね。

日本ではほとんど報道されず

この事件は当時日本では全く報道されませんでした。

ですが、後に韓国だけでなく中国なども巻き込んだ社会問題に発展したこと、2020年に犯人であるチョ・ドゥスンが釈放されたことで事件への関心が再熱したことでネットニュースを中心に広く知られるようになりました。

この事件は映画化していることもあり、一時ネット上で様々な形で議論されていました。

また、チョ・ドゥスン出所後、韓国のYouTuberが自宅前に陣取り生放送していたようです。

ナヨン事件が映画化された!?社会問題に

韓国ではナヨン事件を題材とした映画「ソウォン/願い」が公開されています。

性犯罪という重いテーマでかなり社会問題に切り込んだ内容となっており、放映当時は韓国国内でも大きな話題を呼びました。

映画化をきっかけにナヨン事件を知った方も多く、怒りや衝撃を覚えたり、自身の子供への危機感を抱いた親たちも多かったようです。

映画「ソウォン/願い」はナヨン事件を映画化

「ソウォン/願い」はイ・ジュニク監督の作品で、2013年に公開されました。

34回青龍映画賞では最優秀作品賞をはじめ3冠に輝きました。

第34回青龍映画賞は映画界の専門家で構成された予備審査団のアンケートやネットユーザーの投票で各部門別の候補を選定し、作品性はもちろん興行成績も兼ね備えた21本の作品が厳選されていました。

実際に映画を観た人達のレビューを紹介します。

性犯罪という重く不快なテーマであるが、被害者家族を支える友人家族やクラスメートが暖かい人たちが多く、救われる。

 

特に父親の工場長夫妻と息子。韓国では、周りの人と助け合う様子が映画やドラマによく出てくると感じる。

 

被害内容など表現しずらいこともしっかり表現している点は評価できますが、実際に被害にあったり近い経験をしたひとは避けたほうが良いと思う。

韓国映画はすきですが、その中でも高評価の良い映画です。

「ナヨン事件」は韓国社会特有の問題を浮き彫りにした事件ですが、この映画は日本人でも考えさせられる感動の作品に仕上がっているようです。

残虐すぎるナヨン事件は風化してはいけない

ナヨン事件は事件の内容もその後の展開も、かなり衝撃的な内容であることがわかったことでしょう。

この事件をきっかけに韓国の児童性犯罪に対する処罰が厳重化されたとはいえ、酒酔減軽法はなくなっていないのです。

チェ・ジュンシク国民の力の議員により飲酒犯罪の処罰レベルを高める法案が発議されたり、韓国国民による署名運動など広がりは見せていますが、加害者側の人権保護と被害者側の人権保護がぶつかった時、司法のできることはあまり多くないのかもしれません。

今後このような事件が起きることが無いよう祈ることはもちろん、韓国司法に変化が生まれるのかどうかにも注目が集まります。