ニコラス・コケインは2007年に服役していた刑務所の同房であった男に暴行します。
さらにハサミで刺し、袋を被せて窒息死させました。
その後、カミソリで肺を取り出して一部を生で食べ、他は仮設ストーブで焼いて玉ねぎと一緒に食べました。
「被害者の魂を奪うためにカラダの一部を食べた」と供述していますが、裁判では過去の病歴や精神が不安定であることを主張します。
「ずっと精神障害を主張していたが誰も聞いてくれず、助けてほしかった」とも話していることから、本当の動機はわかりません。
世界の有名なカニバリスト⑤アルバート・フィッシュ
アメリカのシリアルキラーで「満月の狂人」と呼ばれた有名人です。
3名の子供を殺害し、その肉でシチューを作って食べました。
犯人から届いた封筒の折り返しに消された刻印を発見し、それを辿ってアルバート・フィッシュは逮捕されます。
23の州で犯行を行ったと供述し、1935年に死刑判決がでます。
翌年には刑が執行されました。
世界の有名なカニバリスト⑥アンドレイ・チカチーロ
ロシアで50人以上を殺害したとされるアンドレイ・チカチーロ。
「ロストフの虐殺者」と呼ばれました。
最低でも52人の女性や子供を殺害しました。
ロシアで有名人のシリアルキラーです。
9歳の女の子を襲い、腹を刺すと興奮したことから人を刺し殺すことで快感を得ることができるとわかります。
その後何人もの女性や子供を拷問し、殺害します。
別の窃盗事件で逮捕、1年の禁固刑を終え出所した後さらに犯行を行います。
さらに1990年に女性を殺害し、顔に返り血を浴びたまま歩いていたところを警察が発見します。
この時は逮捕せず、彼を詳しく調べながら繰り返し追跡しますが、証拠がなかったため逮捕できずにいました。
その後、彼を野放しにしておくのは危険と判断し、逮捕されます。
自ら死体の情報を伝え、そのことが決定的な証拠となり起訴となりました。
裁判では52人の殺人罪で有罪、死刑判決を受けます。
そして1994年に死刑が執行されました。
世界の有名なカニバリスト⑦ユ・ヨンチョル
「ソウル20人連続殺人」は2003~2004年に起こりました。
韓国のシリアルキラーでは有名人です。
2003年に大学教授が殺害され、その後高齢者や風俗嬢などを20人殺害しました。
11人は解体され、内臓を食べたと供述します。
逮捕後は26件の殺人を告白しましたが、実際に起訴されたのは20件です。
2004年に死刑判決が告げられました。
世界の有名なカニバリスト⑧ドミトリー・バクシェーエフ
1999年~2017年までに夫婦で30人以上を殺害、その後人肉を食べた猟奇殺人の有名人です。
ドミトリー・バグシェーエフと妻のナタリアが2人で行った犯行です。
ある日、通行人が落ちていた携帯電話の画像を見ると、遺体と思われる者と一緒に写真に映るドミトリー・バクシェーエフがいました。
そのことから事件は発覚し、警察が事情聴取を行い2件の殺人を認めます。
さらに余罪があるとみた警察が家宅捜索をすると、冷凍庫から7つ遺体の一部が見つかりました。
皮膚や手首なども発見され、その数はおそらく30人分になると判明します。
妻は遺体の一部をミートパイにして振舞っていたこともわかっています。
その後の詳細はわかっていません。
カニバリズムの目的とは?
カニバリズム(食人)の目的とは一体何でしょうか?
民族的な慣習、性的欲求、迷信、中にはやむを得ない理由から食人行動を行ってしまう人もいます。
それぞれの理由や実話、事件なども含めて紹介します。
社会的・民族的な慣習
カニバリズムを行う人の中には、社会的または民族的な慣習から行う人々もいます。
死者の弔いの意味を込めて死後にカニバリズムを行うことも。
特にパプアニューギニアなどの部族にはそういった慣習が存在しましたが、現在は政府が禁止したことでカニバリズムはなくなっています。
性的欲求
性的欲求からカニバリズムを行う人もいます。
人肉を食べてみたかった、小さいころから人食に興味があったと事件を起こす者もいました。
迷信
ある迷信を信じ、カニバリズムを行う人もいました。
韓国では「赤ちゃんの死体を食すと滋養強壮になる」と言われ、死体を粉末にしてカプセルに詰め、100カプセル6万円ほどで密売されていたこともあります。
飢餓でやむをえず
人はさまざまな理由でカニバリズムを行いますが、飢えを凌ぐために仕方なく行ってしまった人もいます。
人は食べなければ死んでしまうので、状況によってはそれが人でも食べなければいけないです。
ウルグアイ空軍機571便遭難事故
1972年、チリへラグビーの試合に向かうステラ・マリス学園の選手や家族らを乗せたチャーター機が出発。
飛行機には乗客40人と乗務員5人が搭乗していました。
出発した翌日、アルゼンチンとチリの国境辺りにあるアンデス山脈に墜落します。
この時点で9人が死亡し、ケガが原因で3人が墜落初日に亡くなりました。
行方不明も5人、生存したのは28人です。
生存者たちは寒い山をスナック菓子やワインなどの少ない食料で過ごしましたが、それも9日後に尽きます。
そして、生存者の数名が亡くなる中、墜落から11日後に機内にあったラジオで自分たちの捜索が中止されたことを知ります。
そんな時に生存者の1人ロベルト・カネッサが亡くなった仲間の遺体を食べることを提案。
周囲は仲間の遺体ということもあり反対しますが、死亡した仲間は死の間際に「自分を食べて生き延びて」と言い残していたこともあり、苦渋の決断となりました。
その後、機内で過ごしていた人々が雪崩に襲われ8人が死亡します。
このような状況でも諦めずに行動を起こした2人が人と接触することに成功し、この2人は近くの村に到着しました。
墜落から72日後に16人が救出されましたが、人肉を食べて生き残った彼らに好奇の目が向けられたそうです。
天保の飢饉
1833~36年に続いた大凶作により、多くの人が飢餓によって命を落としました。
何年にもわたる不作のため食料がなく、生き延びるため人肉を食べる人がいました。
老人の遺体を売買する者や赤ちゃんを食べる母まで。
とにかく食べられるものは何でも食べるしかなかったのです。
人を食べると脳みそがスポンジに!?クールー病はなぜかかる?
人を食べることで健康に害はないのか気になりますよね。
実際にパプアニューギニアでは、カニバリズムによって起こった病気が確認されています。
クールー病とは?
現在は禁止されていますが、昔カニバリズムを行っていたパプアニューギニアの部族フォレ族では、脳みその病気が広がっていました。
症状はこのようなものです。
・運動失調
・歩行困難
・身体の震え
・突然笑いだすなどの精神障害
潜伏期間は5~20年ですが、発症すれば1年ほどで死んでしまいます。
クールーという名前はフォレ族の言語で「震え」と意味し、それがこの病気の名前、クールー病の由来になりました。
最終的には脳みそに空胞ができスポンジのようになります。
クールー病の原因とは?
クールーはプリオン病の一種で、後にカニバリズムが原因であると分かります。
プリオン病の一種である「ヤコブ病」であった死者の遺体を食べたことがきっかけと考えられています。
フォア族は民族的な慣習により死者の弔いを込めて遺体を食べていましたが、最も感染性の強い部分である脳みそは女性や子供が食べるよう決まっていました。
民族的な慣習が原因で、クールー病は生まれたのです。
現在、クールー病はあまり見かけないようです。
カニバリズムは現在行われている?
ここまでに紹介したものの多くは数年~数十年前のものです。
現在にカニバニズムを行った有名人の実話を紹介します。
2021年にはスペインで母親を殺害して食べた男がおり、15年の実刑判決。
同年、ケニアで10人以上の子供を殺害し、血を吸った男を逮捕。
同年、アメリカで近隣に住む人を殺害したのち心臓を取り出して食べた男が逮捕。
同年、アメリカで高齢男性が殺害され、被害者の遺体を食べたとして男が逮捕。
など、現在の2021年だけでもカニバリズムの実話は数件確認されています。
まとめ
カニバニズムの有名人を紹介しましたが、人はさまざまな理由からカニバニズムを行うことがわかりました。
部族が行うものは民族的な慣習が多いですが、過去の事件から性的欲求で行うものも少なくありません。
2021年だけでも4件のカニバリズムが発覚しており、身近に恐怖が存在することを改めて実感しました。