パソコンには、デスクトップPCやノートパソコンに限らず、CPU(中央演算処理装置)というそのパソコンの頭脳とも言えるパーツがあります。
かつては、IBMやIntel、NEC・東芝など各メーカーがしのぎを削っていたCPUも、近年の一般的なパソコンには、Intel1強の時代がしばらく続いていました。
しかし2016年頃より、AMD社のCPU「Ryzen」シリーズが登場し、Intelの対抗馬として人気を獲得してきました!
今回は、そんなRyzenやめとけと言われる理由と、ノートパソコンなどとの相性問題を見ていくとともに、Intelとの比較や動かないソフトなどに関する情報も、徹底解説していきます!
Ryzenやめとけの評判は本当?気になる理由5選!
Intelの1強時代は現在終わりつつあり、Appleも数年前からMacに新しいMシリーズCPUを採用しており、そのCPU1強状態にクサビを打ったのは、他ならぬAMD Ryzenの功績だと言われています。
しかしなぜか、Ryzenやめとけという評判が出てきているようですが、これはどのような理由からなのでしょうか?
ここからはRyzenやめとけと言われている理由について見ていきましょう!
①対応していないソフトがある
Ryzenやめとけと言われる理由に、動かないソフトや、一部のアプリと「相性問題」があると言われています。
これは、Ryzenが発売された頃のCPU業界は、Intelのシェアが100%というとんでもない時代であり、もともとIntel用に動作確認や動きを設定しているソフトばかりだったため、相性が悪いアプリや動かないソフトがあったということです。
現在は、Ryzenも普及しており、この問題はほぼ払拭されていると言ってもいいでしょう!
②認知度が低い
あまりPCに興味ない人からすると、Ryzenという聞きなれない名称と、Intelという誰でも聞いたことのある名称の、認知度の差が出てくるのは仕方ないことです。
2000年代前半に、MacがPower Mac CPUからインテルに移行した後の、Intelの知名度はとにかく凄まじく、かたやRyzenの一般的なPCやノートパソコン用のCPUが普及し始めたのは、2017年前後からです。
この認知度の差は大きく、結果としてIntelの方に、安心感を抱くユーザーも多いためではないでしょうか?
③PCと言えばIntelイメージ
やはり、パソコンのCPUといえば、「Intel入ってる!」(Intel inside!)のイメージが強い人の方が多いかと思います。
近年は、昔のようにPCやノートパソコンのコマーシャルが、テレビで流れることも少なくなってきており、Ryzenに強烈なイメージが無いことは否めません。
Ryzenやめとけとは、そのようなイメージの低さも関係しているのかもしれません!
④性能が低いと言われている
初期の頃のRyzenシリーズは、特に動画編集や、グラフィック、PCゲームを利用するクリエター層から性能が低いと言われていました。
低価格であったこともあり、一般PCユーザーが使用する分には問題なかったのですが、クリエイター層からそのような評価を出されたため、Ryzenやめとけという評価が出てきたのかもしれません。
いずれにせよ、現在では研究が進み、Intelと遜色ない性能を出すようになっています!
⑤CPUによって得意分野が違う
Ryzenやめとけと言われる最大の理由は、RyzenとIntelのCPUとしての得意分野の違いであるといえます。
Ryzenの性能が低いわけではなく、シングルコアのIntelがゲームなどの動きに強いのに比べて、マルチコアのRyzenは描画能力に秀でており、クリエイターはRyzenを選ぶ人も多いです。
動画編集や画像作成などをメインに考えている人は、Ryzenという選択肢も十分にあり、それぞれに得意分野があるということです。
Ryzenのメリット・デメリットは?口コミ全10選!
Intel1強の時代から、シェアを二分する存在になったAMD Ryzensですが、メリットはどのようなものがあり、Intelと違っているのでしょうか?
また、Ryzenやめとけと言われるようなデメリットとは、どんなものなのでしょうか?
ここからは、Ryzenのメリット・デメリットを見ていきましょう!
メリット①:マルチコア性能が優れている
CPUは、コアと呼ばれる部分で演算処理を行います。
Ryzenは、Intelのようなシングルコアでは無く、マルチコアと呼ばれるコアを複数持ったCPUで、これにより消費電力や熱量を低く抑えつつ、高速で演算が可能になっています。
もちろん使用環境や、ソフトなどにもよりますが、理想的な環境で使用した場合は、一般的にマルチコアの方が高性能になります!
メリット②:グラフィック性能が高い
Ryzen 8000シリーズでは、内蔵GPUが搭載されており、グラボ(グラフィックボード)無しでもかなり高いグラフィック性能を持っています。
以前から、Ryzenは内蔵GPUが無いため映像出力の性能は、グラボの性能に左右されてきました。
最新のRyzen8000シリーズでは、内蔵GPU搭載によりゲームなどの高いグラフィック性能を有する映像を、スムーズに表示させることができるようになっています!
メリット③:コストパフォーマンスが良い
Ryzenシリーズは、Intel製CPUに比べると比較的安価です。
Intelがシングルコア・プロセッサなのに対し、Ryzenのマルチコア・プロセッサでは本来だとコストがかかるのが一般的です。
しかし、RyzenシリーズはIntelより5000円近く割安で販売されており、CPUの金額が安くなるとその分SSDなどのスペックを上げることができ、高性能スペックなのにIntel搭載製品よりコストパフォーマンスに優れています!
メリット④:多くのゲームがグラボなしで遊べる
Ryzenの8000シリーズ以降で型番の後にGがついているモデルは、内蔵GPUが搭載されているため、グラボがなくても多くのゲームをプレイすることができます。
さすがに、高画質処理が必要な4Kオープンワールドゲームなどの、膨大な処理が必要なゲームは厳しいですが、ある程度の画質処理には対応しています。
ゲームのほとんどは、そこまでの処理を必要としないものも多いので、かなりの数のゲームがグラボ無しで遊ぶことができるでしょう!
メリット⑤:クリエイターに適している
マルチコアで処理能力が高く、最近では動画や画像のクリエイターから高い評価を受けています。
マルチコアでは、複数のコアで並列演算をするため、シングルコアより高速での処理が可能になり、これは比較的作業カロリーの大きい動画編集などでは、大変重要なことです。
性能面だけでなく、金額も抑えられるためフリーランスのクリエイターなどでは、機器購入費用が安くなり、結果浮いたお金でよりパソコンのスペックを上げたり、その他の機器にお金を回すこともできるということです!
デメリット①:シングルコアの性能がIntelに劣る
Ryzenやめとけと言われる理由にもなっている、デメリットについて見ていきましょう!
Intelとの最も大きな違いは、Ryzenはシングルコアではなくマルチコアであるところですが、マルチコアは演算性能は高いのですが、fps(フレームレート)がシングルコアに劣ると言われています。
そのため、グラフィックが繊細でかつ激しい動きがあるゲームでは、マルチコアがデメリットになってしまい、Intel製品が選ばれるようです。
デメリット②:取り外す時に壊れやすい
Ryzenは、CPUの裏側に多数のピンが、剥き出しになっている構造になっています。
この構造により、例えばPCの組み直しで旧PCからCPUを再利用する際などに、ピンを何かにぶつけたりして1本でも折れてしまうと、もうそのCPUは使えなくなってしまいます。
しかし、最新のRyzen CPUではこの構造を見直し、ピンを使わない方式になっているので、頻繁に組み替えなどをするPC自作派は、最新のRyzen CPUを選んだ方がいいでしょう!
デメリット③:内臓GPUのないモデルが多い
先ほども書きましたが、Ryzenは内蔵GPUが搭載されているのは8000シリーズからで、それ以前のCPUには内蔵GPUがありません。
そのため、映像出力がグラボからのみ出力されるため、万が一グラボが壊れてしまった場合、CPUやその他の画面を表示させることができません。
これは、PC自作派には嫌がられることが多く、頻繁にPCを組む人はRyzenの型番の最後に「G」がつく内蔵GPU搭載のものを選んだ方がいいようです。
デメリット④:他のパーツとの相性が悪い
PC・ノートパソコンには、さまざまなパーツが組み合わさってできています。
その中でも、第2世代RyzenはSSDやメモリーなどとの相性が悪い事例が報告されていました。
しかし第2世代以降の研究開発や、パーツメーカーのRyzen CPUへの理解とともに、相性問題は改善されています。
デメリット⑤:処理能力が遅い
Ryzenはマルチコアの割に処理能力が遅い、とも言われています。
しかしこれは、販売された当初のRyzenシリーズではよく言われていたことでしたが、シングルコアとマルチコアの用途や動作が違うためそのように感じるようです。
シングルコアは、その構成から繊細なグラフィックの動きに強いため、マルチコアなのにRyzenはゲームでカクつくなどの評価から出てきたものでした!
RyzenCPUのおすすめモデルとPCまとめ!intel製品との比較も!
Ryzenやめとけという評価とは裏腹に、性能面でとても高い性能であることがわかってきました。
ここからは、そのRyzen CPUのおすすめモデルや、PCをIntel製品との比較も含めて見ていきましょう!
最新のRyzen CPUと、古いけどコスパに優れた旧Ryzen CPUとの違いも、わかりやすく解説していきます!
①Ryzen 5 4500搭載モデル
Ryzen CPU搭載のNEXTGEAR JG-A5G60は初心者向きですが、中間層くらいまでのゲームであればプレイすることができます!
あまりCPUに負荷がかかるゲームをプレイすると、fps(フレームレート)に影響が出るため、高画質ゲームを高fpsでプレイするのは厳しいでしょう。
しかし、GeForce RTX 4060のグラボ搭載で16GBメモリ1TBストレージで、実売価格10万円台とこのスペックとは思えない金額になっています!
②Ryzen 7 5700X搭載モデル
RyzenCPU搭載のNEXTGEAR JG-A7G70は、先のNEXTGEAR JG-A5G60の上位互換モデルです。
GeForce RTX 4070のグラボを搭載し、16GBメモリと1TBストレージで高画質ゲームをストレスなくプレイすることが可能になりました!
しかし、NEXTGEAR JG-A5G60よりお値段が高くなり、実売価格20万円前後になっていますが、それでこのスペックなら安いのでは無いでしょうか?
③Ryzen 7 5700搭載モデル
ノートパソコン派の方には、DellのノートパソコンInspiron 5415(AMD Ryzen7 5700搭載)がいいんでは無いでしょうか?
ゲームとかはしないけど、そこそこ高スペックでコスパの良いノートパソコンが欲しい方向けの製品です。
8GBメモリ256Gストレージで、ある程度の動画の編集や作業はスムーズに行えるこのノートパソコンが、実売価格8万円前後ととてもコスパの良い製品に仕上がっています!
④Ryzen 7 8700G搭載モデル
最後は、Ryzen7 8700G搭載のOMEN 35L GT16です。
CPUもさることながらVRAM16GB仕様で、どんなゲームでのプレイにも耐えられる、高スペックPCになっています。
このスペックで実売価格が30万円を切っており、ゲーム配信や高負荷ゲームを思う存分プレイしたい人でも、満足できる仕様になっています!
Ryzenの評判は?押さえておきたい5つのこと
ここまで、メリット・デメリットなどを見てきました。
Ryzen CPUは、Intel CPUと遜色ない高スペックになっており、場合によってはIntel製を性能面で超える場合も多くなってきているようです。
ではここから、Ryzen CPUを導入するにあたって抑えておきたい5つのことを見ていきましょう!
RyzenのCPU最大のメリットは?
Ryzen CPU最大のメリットは、マルチコアの高性能なスペックでも比較的値段が安く、コスパがいいことでしょう!
このコスパの良さは、パソコンの他のパーツのスペックを上げることができ、結果的に高画質なゲームや、高負荷の作業をしやすくなります。
CPUの価格は抑えたいが、パフォーマンスはあまり落としたくない人には、最大のメリットではないかと思います!
RyzenのCPUは簡単にアップデートできる?
Ryzenは、マルチコア性能が高いため、アップデートが簡単で早いという特徴があります。
このマルチコアCPUを最大限に活かして、素早いアップデートを可能にしています。
ドライバーなどのアップデート処理も、AMDの公式サイトから簡単に高速で行うことができるでしょう!
Ryzenでゲームはできるの?
Ryzen 7 8000シリーズから、内蔵GPUでグラボ無しでもある程度はゲームができるようになりました。
高グラフィックで動きのある、4Kでfpsレートの高いゲームをプレイするには、グラフィックボードが必要ですが、CPUの金額を抑えるとより性能の良いグラボを入手できるはずです!
そのコスパの良さは、選択肢の幅を広げてくれるでしょう!
Ryzenシリーズの型番の見分け方は?
Ryzenの型番の見分け方は、Ryzen7がよりノートパソコンに特化しており、Ryzen5がPCに特化しています。
その後に4桁の数字が付けられ、大きい番号がより新しいものとなっています。
またその数字の後に内蔵GPUの「G」やハイスペックな「X」などの型式が入ってきます!
RyzenのCPUで注意することは?
Ryzen CPUで注意したいところは、現在急速に普及をしている「thunderbolt」端子とケーブルが使えないということです。
このthunderbolt は、USBタイプC端子と同じ形をしていますが、40Gbpsの高速データ通信を可能にしており、1本の端子で複数のモニターに接続できるなど、次世代の規格になっていますが、この規格に対応していません。
この規格は、IntelとAppleが開発した企画なので、Ryzenに搭載されるのにはまだ少し時間がかかる可能性があります。
Ryzenやめとけとは?
発売当初の様々な機器やアプリとの相性問題で、不具合が多かったため、Ryzenやめとけとクリエイターから言われたことが原因とわかりました。
しかし現在では、その性能の高さと高速処理で、時にはIntel CPUを超えるほどの性能を出すようになりました!
また、コストパフォーマンスの高さも大きな魅力で、最近のクリエイターの間では、躊躇なくRyzen CPUを選ぶ人も増えています。
高グラフィックのゲームをするのには、シングルコアのIntelに軍配が上がるのは否めませんが、Ryzenで全くプレイできないわけではなく、高性能なPCをコスパよく買いたいユーザーなら、Ryzenという選択肢もあるかもしれません!