ケツ毛バーカー事件は2006年に起こりました。
事件の名前から、食品事故に関する事件や面白ニュースなどのように思う人もいるでしょう。
しかし、この事件の内容はネットや情報流出に関するもので、ネット社会となった現代では誰が被害者となってもおかしくないものです。
では、そのケツ毛バーカー事件とは一体どのような事件だったのでしょうか?
ネットや情報流出の怖さを知るためにも事件の内容を知っておきましょう。
ケツ毛バーガー事件はどのような事件?
ケツ毛バーガー事件はその名前から恐ろしい事件のようには思えません。
しかし、その事件の内容はネットや情報流出に関するものであり、誰が被害者となってもおかしくない恐ろしい事件でした。
事件が起こったのは2006年ですが、2022年の現在でも、またこれから先もずっと誰もが被害者となるリスクを抱えていくことになるでしょう。
そのリスクから身を守るためにも、「ケツ毛バーガー事件がどのような事件であったのか?」「なぜ、ケツ毛バーガー事件は起こってしまったのか?」を知っておきましょう。
事件の概要は?
ケツ毛バーガー事件は被害者男性の使っていたパソコンがウイルスに感染したことで、保存されていたデータがネット上にバラ撒かれてしまった事件のことです。
ネットにバラ撒かれたデータはパソコン持ち主の個人情報や勤務先の企業情報などです。
流出したデータの中で、特に問題視されたのは恋人女性との性的な写真でした。
恋人女性の写真が流出すると、あっという間にその画像はネット上で拡散されてしまいました。
そのため、事件に巻き込まれる形で恋人女性も大きな被害を受けることになります。
事件当時はネットや情報流出への関心が高まりや、事件の話題性があったことなどからニュースでも大きく取り上げられました。
なぜケツ毛バーガーと呼ばれるのか?
「パソコンのウィルス感染や情報流出がなぜケツ毛バーガーと呼ばれるのか?」と疑問に思う人もいるでしょう。
この事件がケツ毛バーガーと呼ばれる理由は流出した被害女性の写真にあります。
流出した写真には被害女性の裸の写真が含まれていて、その写真にお尻の間から毛が見えるものがありました。
お尻で挟まれた毛ということでケツ毛バーガーと呼ばれるようになりました。
ネットではインパクトの強い名前や表現を誇張して名前をつけられることがあり、ケツ毛バーガーもその1つです。
事件の被害者は?
情報が流出したことで、ネット上では被害者である男性と女性の特定がされました。
パソコンから情報流出をした被害者男性は白鯛素久さん、写真を流出されてしまった被害者女性は村岡万由子さんです。
事件の主な被害者はパソコンがウィルスに感染した男性側ですが、被害の内容から女性の方がケツ毛バーガー事件の被害者として有名になっています。
被害者のその後は?
事件後の2人に関しては詳しいことはわかっていません。
しかし、被害者男性は会社の情報を漏らしたとして処分を受け、その後に退職したと言われています。
被害者女性の方は仕事を辞めて大阪でスクールカウンセラーになった、被害者男性と別れて別の男性と結婚したなどと言われています。
ただし、これらはあくまでも噂であり、実際に2人が現在どうしているかは不明です。
ケツ毛バーガー事件が起こった原因は?
ケツ毛バーガー事件が起こった原因は被害者男性の使っていたパソコンがウィルスに感染したことが原因です。
しかし、なぜ被害者男性のパソコンはウィルスに感染したのでしょうか?
また、そのウィルスとはどのようなものであったのでしょうか?
彼氏がファイル共有ソフトを使っていた
被害者男性のパソコンがウィルス感染した原因はファイル共有ソフトの「Share」を利用していたためです。
ファイル共有ソフトを使うことで、他のユーザーが持っているファイルをダウンロードしたり、自分の持っているファイルを他のユーザーがダウンロードできるようにすることが可能になります。
そのファイル共有ソフトは無断で著作権のある音楽や動画などのデータがやりとりされていたことが当時問題視されていました。
PCがウィルスに感染
ファイル共有ソフトは著作権違反だけでなく、ウィルスに感染しやすかったり、流出させてはいけないファイルが意図せず他人がダウンロードできる状態になっていたりなども問題となっていました。
被害者男性も「Share」を使っていたことで、パソコンに保存されたファイルを勝手にネット上にバラ撒くというウィルスに感染します。
そのウィルスによって個人情報や勤務先の企業情報、恋人である被害者女性の写真などが流出してしまいました。
SNSを通して身バレする
被害者男性は実名登録制のSNSも利用していました。
そのため、個人情報が流出していることで被害者男性はSNSを通して身バレしてしまいます。
また、被害者男性のSNSには恋人である被害者女性との写真や情報もあったため、被害者女性の身バレまでしてしまいました。
個人が特定されたことで、流出した情報や写真はさらに拡散の勢いを強めることになりました。
情報拡散に使われたSNSの株価は大暴落
被害者の2人が特定されるきっかけとなったSNSは実名登録制でした。
アカウントの持ち主がどこの誰であるかが明確になることで、安心してサービスの利用ができることが実名登録制の大きなメリットと当時は考えられていました。
しかし、その実名登録によって個人が特定され、事件の被害が大きくなるきっかけとなってしまいます。
この事件によって、そのSNSの信頼性や安全性は崩れて株価が大暴落する事態となりました。
また、ネットで実名を使うことの危険性も世間で大きく認知されるきっかけにもなりました。
ケツ毛バーガー事件には類似事件がある
パソコンのウィルス感染による情報の流出事件はケツ毛バーガー事件以外にもいろいろとあります。
他にはどのような事件があったのかも確認しておきましょう。
winnyからの流出①
大手自動車部品メーカーのKさんは「Share」と共に有名であったファイル共有ソフト「winny」を使っていました。
「winny」も「Share」と同様にウィルスが出回っていて、Kさんのパソコンもウィルスに感染してしまいます。
ウィルスによって個人情報や会社の情報、恋人との性的写真などが流出しました。
Kさんは情報や写真の流出をしたことに気がつき、すぐに実名登録制のSNSを退会しました。
しかし、それでも個人の特定がされて、知らない人から会社に電話がかかってくることもあったそうです。
winnyからの流出②
Iさんもwinnyを利用していたことでウィルスに感染して、個人情報や恋人の性的な写真などが流出してしまいました。
写真の中には恋人以外との行為や過激な内容の写真も含まれていたことで話題となりました。
さらに個人を特定され、国税局勤務ということまでわかってしまったそうです。
写真袋パスワード特定事件
スマホにも写真や動画を共有するアプリ「写真袋」というものがありました。
写真や動画などをダウンロードするにはパスワードが必要だったのですが、Tさんは安易なパスワードを設定していたことで他のユーザーに解読されてしまいます。
パスワードが破られたことでTさんは恋人との写真を流出し、拡散されてしまうこととなってしまいました。
画像流出による被害者となった場合にするべきこと
ネットでの情報や写真の流出は誰にでも起こりうることです。
1度流出した情報や写真は拡散を防ぐことが難しいと言われています。
しかし、拡散が防げないからと泣き寝入りをしてはいけません。
被害の拡散を抑えるためにできることはあるので、何ができるのかを知っておきましょう。
誰かに相談する
ネットで広まってしまった情報や画像を個人で対応することは難しいでしょう。
また、ネットの知識や技術、法律なども必要になります。
そのため、個人で何とかしようとするのではなく、まずは誰かに相談するようにしましょう。
もし、他人に相談しにくい内容であれば、民間団体の相談窓口を利用しましょう。
適切な対処法やアドバイスなどをもらうことが期待できます。
画像の削除申請をする
流出した写真が無断で使用されている場合は、その運営に対して削除申請をしましょう。
いくら写真を削除してもらっても再び写真をアップされてイタチごっことなりますが、そのまま放置しているとネット上にどんどん流出した写真が増えていってしまいます。
また、ネット上でのプライバシー保護のために現在は「忘れられる権利」の注目度も上がってきていることもあり、以前と比べると流出した写真は削除してもらいやすくなってきています。
ただし、それでも流出した完全に情報や写真を完全に消すことは難しいので、情報や写真は流出させないように普段から対策しておくことが望ましいです。
ケツ毛バーガー事件は誰が被害者になっても不思議はなかった
ケツ毛バーガー事件はウィルスによって情報や写真が流出した事件でした。
ネットは誰でも使うものであるため、誰が被害者になってもおかしくない事件です。
現在ではプライバシー保護のための「忘れられる権利」が注目されていますが、それでも流出した情報や写真を完全にネットから消すことは難しいです。
そのため、普段から使っているスマホやパソコンから情報や写真が流出することのないように、ネットやセキュリティの知識を身につけるようにしておきましょう。